園子温。僕が好きな映画監督の一人である。かなりアクの強い映画を撮るので、好き嫌いがはっきり分かれる。ちなみに女の子で「園子温好き!!」って子を僕は見たことがない。つまりはそんな感じの監督。わりと国際的な評価が高い人でベルリン映画祭、ヴェネチア映画祭などで数多くの賞を受賞、となかなかすごいっしょ?
で、そんな園子温がパーソナリティを務めたラジオで語られた内容がヤバい!彼の映画も狂ってるが、彼の人生も狂ってる!ってことでちょっとまとめてみた。
【17歳、初体験の女性が出したのは巨大なはさみ】
「セックスしたい」17歳、園子温の頭の中はセックスでいっぱいだった。セックスセックスセックスしかし、どうしたらセックスできるのか???、、その時、彼は閃いた。
「そうだ、東京に行こう」
17歳の彼はとにかく東京に行けばセックスできると思いこんでいたのだ。思い込みの力は強く、東京駅で、ある女性に声をかけられる。「このへんに24時間空いてるレストランとかありませんかね?」このセリフ、彼の耳にはこう聞こえた。
「___二人でセックスしませんか?」
「今からこれで死にましょう」
どうやら彼女は夫とモメて家を出てきたところだったらしい。これから実家に帰ろうか、それともいっそのこと死んでしまおうかと悩んでいたのだ。
そして17歳の園子温は究極の選択を迫られる。ここで一緒に死ぬか、明日いっしょに実家に帰り、夫のフリをして母と暮らしてくれるか。
彼は後者を選んだ。
ちなみにこの後、彼は本当に女性の実家に行き、夫のふりをして数ヶ月過ごしたそうだ。
【ヤクザの娘と恋に落ちる】
映画に飽きた彼が起こした正体不明の活動『東京ガガガ』。詩を叫びながら東京の街を駆け回る。その時、彼は一人のメンバーとセックスをした。
『東京ガガガ』の活動も終わり、数年たったある日、そのメンバーから園子温に電話がかかってくる。
「あの時、あなたセックスしましたよね?」
「……うん、だいぶ前のことだけど」
「じゃあ、今からK街にきて下さい。もしあなたが来ないなら、あなたのアパートの周りを黒い車がいっぱい囲みます」
黒い車、なんだそれ。彼は意味が分からなかった。セックスしたのも昔のことだし、何で今さら。。
「……じゃあ行くよ」
彼がK街のファミレスに行くと彼女は言った。
「あなたはレイプしたことになってます」
彼は頭を抱えた。彼女とはラブホテルに行き、合意の上でやったのだ。そんな、何を今さら。彼は呆れ果てて帰ろうとする。その時、
「私、組長の娘だったんです」
彼がファミレスの外を見ると、ジャージを着た男がずらーと並んでいる。彼は理解した。そうか、そういうことか。男たちは店に入ってくるなり「そろそろ行こうか」もはやマンガの世界だ。 彼はビルに連れていかれる。入り口のドアから暗証番号が必要。完全にあっち系である。エレベーターも暗証番号、何重ものセキュリティを越えた先にたどり着いた最上階。組長は一言こう言った。
「お前レイプしたのか?」
テーブルの上には大きなガラスの灰皿。多分おれは殴られる、彼は考えた。組長の足にしがみついて、やってませんと泣きつくのか、しかしそれは情けない。どうしたらいい。その時、彼の頭にある経験が蘇った。彼がアメリカに留学中、ハリウッドの大物プロデューサーに質問された時のことだ。「お前は何のために映画を撮るんだ?」その時、彼は芸術のためだ、と言うのが恥ずかしく、金のためだと答えた。それからそのプロデューサーは悲しい顔をして、二度と会う事はなかった。
やったのはやったんだ!正直に言おう!
「やりました!」
彼は大声で一言そう言った。その瞬間、子分たちがガムを噛む音が消え、空気が凍った。組長の娘である彼女は彼の言葉に驚き、明らかに不自然な表情を浮かべた。
「お前、レイプしてないな」
組長は話が分かる男であり、頭もキレた。園子温は間一髪助かった。
ちなみにこのエピソードを基にした映画が今夏公開の「地獄でなぜ悪い」だ。園子温役は星野源が演じる。
園子温の映画は現実離れした狂気に纏われているが、彼の人生そのものが狂気に満ちているからなんだ。面白いねー。
園子温監督の最高傑作です。
今回、まとめたエピソードが書かれています。