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【映画】『映画欠席裁判』ウェイン町山とガース柳下がゴミ映画を真面目に罵倒!!

ウェイン町山 浅野忠信、軽すぎ!目の前で人間がはらわたブチまける切迫したシーンでも「やっぱ、あれ?なんだっけ?」とか思いっきりセリフ忘れてやんの

 

これは『殺し屋1』のワンシーンについてである。実際に浅野忠信はセリフを忘れていたらしい。三池監督は撮り直すことなくこれをそのまま使った。実際の人間は言葉をかむし、間違うのだから、このシーンもある意味自然なんだというのが三池監督の考えらしい。確かにそうだ(笑)これはタランティーノの映画でおなじみのストーリーと関係ない会話を延々とさせる演出の意図と近いものがある。

 

こういった映画雑学、罵倒、誹謗中傷漫才を町山さんと柳下さんが繰り広げるのが『映画欠席裁判』シリーズ。この本に書いてある映画製作の背景、雑学を知ると、興味のない映画や、観ても面白くなかった映画が価値あるものに変わることがある。例えばソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』だ。

 

・『ロスト・イン・トランスレーション』ソフィアを残して旦那がやっていたこと・・・

 

ウェイン  この映画のスカーレット・ヨハンソンってソフィア・コッポラ自身でしょ。結婚したんだけど、ダンナにほったらかされて、友達のいない日本で淋しくて、早くアメリカに帰りたくてしょうがないという。

 自分の体験を映画にしただけ、これだけ聞くと何とも迷惑な話。お前が日本で淋しかったことなんて知らねーよ、って感じ。しかし、この当時のダンナ、、あのスパイクジョーンズなのだ。

 ウェイン 日本でスパイク・ジョーンズがやってた仕事って何だろ?二年くらい前って考えると、やっぱりjackass the movie』(02年)しかないよな。

ガース カミさんをホテルにほっといて、渋谷でパンダの格好してはしゃいでたのか(笑)

 

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ある意味、ソフィアより芸術的!? 

 

 スパイクジョーンズが当時撮っていたのが、あのjackass、これはクールにバカなことをやるというとかいうコンセプトで、例えば移動用トイレ(工事現場とかにあるやつ)をクレーンで吊るして、人がはいったままシェイクすると?みたいなバカなことをやる番組だ。結果は当然う◯こまみれになる(笑)

旦那がそんなバカ映画を撮るがために、ソフィアはホテルに置き去りにされた。ちょっとソフィア・コッポラが可哀想すぎないすか?このエピソードを聞いて、僕はくそつまらなかった『ロスト・イン・トランスレーション』もう一度観たくなったのだ!笑

 

・『イノセンス』 なぜか『ブレラン』になる押井守

ウェイン 押井守の『イノセンス』観たら、あれも『ブレラン』そっくりの風景で始まるんだよな。ところがプロットまでそっくりでさ。セクサロイドとして作られた人形が暴れだすって、『ブレラン』のセックス用レプリカントのプリスと同じだし、プリスも『イノセンス』もベルメールの人形がイメージの源泉なんだよね。

 

ブレードランナー』は後の映画含め創作物全般に多大な影響を与えた作品だ。押井版攻殻機動隊は世界観や映像の根底に『ブレラン』があるのはどう見ても明らかだが、プロットまでそっくりというのは、二人の指摘で初めて気づいた。言われてみれば、確かにそっくり、というかほぼ同じ笑

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 映像は素晴らしいけど、?

 

ガース 竹中直人が声をアテているオルゴール館の男が「人形は魂が入っていないからこそ美しい」って言いますね。で、魂の入っていない完璧なフォルム、死体がいちばんだって。

ウェイン あれは何十年も昔に大江健三郎『死者の奢り』で書いていたのと同じだな。醜い自意識がない死体に憧れるという。

 

 

二人の会話からどんどん『イノセンス』の元ネタが出てくる。とにかく知識がバツグンであり、映画の正しい見方も提示してくれる。二人の映画愛溢れる会話は痛快であり、結果として世間からすぐに忘れられるゴミ映画を救っていることになる。

この本の欠点は、二人の会話の方が映画より面白い!!ってことだけ笑

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