園子温が生温く感じる、三池崇史の狂気
パパとしたことある?
こんな異常なテロップで始まる三池崇史監督の『ビジターQ』。いままで古今東西いろんな映画を観てきたが、こんな異常な作品は初めてだ。三池ブラボー!よくやった!あなたはやっぱり変態だ!そして天才だ!
遠藤憲一はビデオを片手にドキュメンタリーを撮ってテレビ局に売る、みたいな仕事をしている。そんな彼が援助交際の取材で出会った女子高生がたまたま家出した自分の娘だった。
挑発するように服を脱ぐ娘。
娘 やりたいの?本番5万、口は3万
父 やめなさい!何言ってんだ!こっちは仕事だ!
しかし、父の下半身は、たとえ相手が娘であっても正直なもんで、、
父 すごい気持ちいい、すごすぎるよ!
父 入れるぞ!よし!入った!あ、、やばい、、中出しいいか!ああ!
5秒でいった父親に娘は一言
娘 早漏。早漏、早漏!
そんな娘に父親の一言
父 もうこういうことやめなさい。こんな暇があるなら勉強しなさい!
冒頭10分、すでに異常な世界である!!笑
狂ってるのは遠藤憲一だけではなく、内田春菊演じる妻も息子に暴力を振るわれ、シャブ中状態!さらに、息子は学校でいじめにあっている!という、ズタボロの家族なのだ!
そして、謎の男がやってくる
この崩壊した家庭にある日、謎の男がやってくる。その男の出現によって、家族の狂気は加速する!
謎の男に石で頭を殴りつけられた父はふと気づく。そうだ!他人にカメラを向ける必要はない!うちの家族の方が狂ってた!と笑
とりあえず、彼はいじめられっこの息子をカメラで撮る。そして、その素材をテレビ局の愛人に売ろうとするも、断られる。
腹を立てた彼は勢いあまって愛人を殺す!そして彼女を屍姦!!そこで、ふと気づく。
あれ?早漏治った!?
なんと、ハートウォーミングな映画だろう!いろいろあったけど、彼はコンプレックスを克服したのだ!
自信をつけた彼は、息子をいじめる少年たちを包丁で刺す!刺す!刺す!
あれ?母乳が出る!
シャブ中の母はというと、母乳を噴射する!これまた謎の男に乳を揉みしだかれたことがきっかけである。
母性を取り戻した彼女の下に、家出をしていた娘は帰宅し、息子は母乳にまみれて、なんとなく母胎回帰する笑
さて色々調べたところ、この映画、パゾリーニの『テオレマ』という作品にインスパイアされて作られたものらしい。以下、wikiよりあらすじ。
ミラノ郊外に住む、工場経営者であるブルジョワ家庭(主人、妻、娘、息子、家政婦)に一人の男が姿を現わし、なぜか男と一家との共同生活が始まる。そのうち家族全員は男の謎めいた魅力の虜となってゆくが、男が家族の前から立ち去ると、残された家族は奇妙な行動を取り始め、家庭は崩壊してゆく。<<
ほとんど同じだ(笑)この『テオレマ』もいずれ観てみたいと思う。