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はーとぼいるどワンダフル。

映画、テレビ、マンガなどなど。たまに広告のことも。

デヴィッド・フィンチャーの傑作『ゾディアック』 ゾディアックに関わるのはエヴァにはまるのと同じなのだ。

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 デヴィッド・フィンチャーの『ゾディアック』が好きだ。これフィンチャー作品の中ではわりとマイナーな部類になるんだろうか?実際に起きたゾディアック事件を描いてるんだから『犯人が捕まるわけない』わけで(笑)自分もちょっと観るのを躊躇していたんだけど、、いやーーー面白いっすね、さっすがデヴィッドフィンチャー

 そもそもゾディアック事件自体がめちゃくちゃおもしろいんだよね。ま、これ多分、劇場型犯罪の元祖みたいなもんで、あの『踊る大捜査線』とか『相棒』とかで犯人がマスコミや警察に電話かけたり、暗号つきの手紙送ったりってあるでしょ?あれですよ。

 で、肝心の映画はというと、一言でいうと『ゾディアックに翻弄される記者、刑事、マンガ家の人生』を描いたドラマである。新聞社の記者を演じるのはロバート・ダウニーJr、彼はゾディアックを追いかけるあまりにアル中になり、会社もクビになってしまう。マーク・ラファロ演じる刑事も、ずっと一緒に捜査してきた相棒に刑事課を去られてしまう。とにかくゾディアックを追うと順風満帆だった人生が狂っていくのだ。でもここまでは、なんで?なんでそんな人生狂っちゃうの?って感じだ。

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 そして映画の中盤以降、とうとうジェイク・ギレンホール演じるマンガ家の出番がやってくる。そもそも彼は新聞社で働いているものの、挿絵を描くただのマンガ家だ。見るからにボンクラな彼だが、暗号だけは得意だった!!それもすごいボンクラっぽいんだけど(笑)そんな彼がいかにゾディアックにはまり、身を滅ぼしていくのかということがここから克明に描かれる。

 このマンガ家がゾディアックを追いかけるきっかけはクビになった記者の存在だ。暗号を解いて渡したりと結構仲良かった彼はある日クビになった記者の家を訪ねる。そこで彼は言われる。

「お前はよ、、本気でやったのか?おまえは暗号といて遊んでただけだろ!!あ!!」

 ピーンときた人はフィンチャー好きなんだろう。これって結局、『ファイト・クラブ』や『ゲーム』などで繰り返し描いてきた「なぜ、おれはここにいるのか」、「なにをすべきなのか」という実存主義的な問いかけなんだよね。まあ、フィンチャー好きのぼくとしては全然OKです!(笑)
 

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 で、このマンガ家はゾディアックを追いかける過程で、妻に出て行かれたり、狂人扱いされたりとひどいことになるんだよね。これエヴァンゲリオンの謎解きと多分まったく同じ現象で、断片的な情報(証拠)を基に背後にある世界観(ゾディアックの正体)をつかもうとしているわけだ大塚英志風に言うと。要はこの映画で描かれるゾディアックを追うがために身を滅ぼしていくというのは、エヴァの全体像をつかもうと、試行錯誤し、ユダヤ教が〜とか、そもそもアダムとイブっていうのは〜と、エヴァを知らない人に語ってみせて、見事にひかれた昔のぼくなのである。
 
 このマンガ家くんも警察に「おまえ、まだゾディアックとか言ってんの?」みたいな態度をとられ続ける。ああ、気持ち分かるぞ。一度はまったら抜け出せないんだよな…わかるよ、うん。

 

 

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