コーエン兄弟「シリアスマン」を理解するために。

コーエン兄弟シリアスマンを観た。
前評判は、非常に難解な映画だということ。何でもユダヤ教だの、ラビだの、、文化を知らないと分からないとか。アメリカ人ですらわからなかったとか。

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以下、あらすじ。

シリアスマンは真面目な中年男ラリーに様々な不幸が訪れるコメディである。
主人公ラリーの兄アーサーは無職で病を患っており、ゴプニック家に居ついてしまって出て行く気配がないはないし、賭け事ばかりの毎日を送っている。また、ラリーの教えるアジア系学生は成績をFであることに抗議をし、さらには賄賂を置いていってしまう。
妻ジュディスが突然離婚したいと言い出したかと思えば、すでにラリーの友人・サイとの再婚まで考えているという。次々に問題に襲われるラリーは地元コミュニティーのラビに相談するが、、

この映画の元になっているというのが、ヨブ記だそうだ。
簡単に言うと、ヨブという真面目な男に突然様々な不幸が訪れるというもの。
神を信じて真面目に生きてきたヨブは、神に嘆く。しかし、ヨブに振りかかる不幸というのは、実は神とサタンの賭けだった。それは、
理由もなく、不幸が訪れてもヨブは神を信じ罪を犯さないのかという、人間はそこまで敬虔な存在なのかというものだ。

ヨブ記についてわかりやすくまとめている。togetter.com



多分、テーマは「意味とか理由なんて大したことじゃないよ」ってことだろう。
身に降りかかる不幸の理由も、生きている意味も、別に大したことじゃない。そもそも人生とは不条理なものなのだということ。
シリアスマンだけでなく、コーエン兄弟の全作品に共通している考え方で、これってカート・ヴォネガットの考えに非常に近いような気がする。ヨブ記なんて読んだことも無いし読まなくていいと思うけど、以下の作品は、非常にテーマや世界観が似ていると思うので、ぜひ呼んで欲しい。


あと、サリンジャー作品にも似ている。