GAINAX制作のアニメ『フリクリ』を観た。今や新劇場版エヴァンゲリオンの演出として有名な鶴巻和哉の初監督作品である。
しかし、これがすっごい変なアニメなのだ。
まずは冒頭、主人公のナオ太のモノローグ。『すごいことなんてない、ただ当たり前のことしか起こらない』
んん、これは…『リバーズ・エッジ』か!?おお、鬱系のアニメね!!
と思ったらベース持った女の子がベスパでナオ太に激突!!んでもって、さらにベースで頭を殴る
ってなんじゃそれ。
ていう意味の分かんないアニメなんです、これが。
ストーリーも分かんない所が多くて、カンチ=タスク説という裏設定があるという都市伝説的なものまであるらしい。
なんでもタスクはMMに誘拐され、殺されて生体パーツとしてロボットにされてしまったとか、なんとか。
が、しかし鶴巻監督は北米版DVDのオーディオコメンタリーでこのように語っています。
ナオ太のセリフとカンチが赤くなるのって関係があるんですか?」
赤くなったカンチはナオ太のあこがれたお兄さんのイメージ。理想の男。緑の感じはナヨっとしたこき使われる男なんだけど、赤は強い男。兄貴になったわけではないんだけど。このところまで見た人は、兄貴はアメリカに行ったんだけど、改造されてカンチになった。という噂も立った。意図的にお兄さんと赤いカンチを同じように見えるようにしている。
つまりカンチは物語上の(象徴的な)兄として描いているが、それはタスク=カンチ...ではないということだよね。
更に、鶴巻監督によると
左利き右利きって言うのがこの後から重要な表現になってきて、マミ美は左利きじゃないんだけど左でバット振るわけよ。それはなぜかと言うとナオ太の兄が左利きだったから。ハル子も左利きだったり。ナオ太は右利きで重要ってことはないんだけど、分けて書いてる。左利きの人の力、左利きの人のイメージと右利きの人のイメージの差を出したかった。最後までそう書いている。
ちなみにカンチは野球の回で右投げ、右打ちだった。タスク=カンチを視聴者に示唆するならカンチを左利きにするのが普通だと僕は思う。
だからこの都市伝説は、ただの伝説だったということでお願いします。
で、ここからは僕の完全な妄想、というか新たな都市伝説を打ち立てます!
それはハル子のモデルは本谷有希子さん、
つまりこのアニメは鶴巻和哉(ナオ太)が本谷有希子(ハル子)に好きと伝える物語ということ
以下にそう考えるに至った理由をあげていく。
⑴エンディングにわざわざ実写をいれている
皆さん、エンディングの実写の女性を覚えているだろうか?
そう、それが劇作家の本谷有希子さんなのだ。
「この実写の部分はどこで撮影されたんですか?」
ガイナックスの近く、ほとんど。コマ送りのところは、ものすごい大変だった。肉体労働だから。この時点でもう壊れて動いてないんだけど、動かないバイクを押して立て押して立て、しかも立たないから下に物を置いてるんですよ。
「クレイアニメーションみたいな」
そう。すごい大変。
これほど労力をかけて、なぜ実写を撮ったのか?そして、なぜ本谷有希子でなければならなかったのか。監督は身近なかわいい女性が本谷しかいなかった、と言っているが、エンディングを観てもらえば分かるのだが、顔とかほとんど写ってないんだよね。つまり、誰でもいいのにわざわざ本谷有希子を使っている。
利き腕の違いが重要な表現と監督も言っているように、これは見逃すわけにはいかない。言うまでもなく、ハル子も左利き。
⑶カモンの声優が松尾スズキである点
このアニメにおいて、父親に嫉妬し、殺す(実際に殺してはいないが)というエディプスコンプレックス的なモチーフがたびたび使われている。
で、その父親の声優が松尾スズキ。
実は本谷有希子って松尾スズキのゼミナールの生徒だったんだよね。
だからカモンに嫉妬し、とりあう女は…本谷?ということを示すために松尾スズキを使ってるんじゃないだろうか。。。
どうでしょう?こう考えたらおもしろくない?そもそもハル子の猫顔な感じが本谷有希子っぽいんだよな〜。
鶴巻監督、本谷有希子のこと好きだったんじゃないのかな〜〜〜。