コーエン兄弟の『未来は今』を観た。
メインキャストがティムロビンスにポールニューマンという当時のコーエン兄弟としては異例の予算をかけた大作だったらしい。
しかし興行的には稀にみる惨敗という結果に、、、
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物語の舞台は1958年のアメリカ合衆国。大学を卒業したばかりのノーヴィル・バーンズは、ニューヨークに出て職探しに励む。経験の無さからなかなか仕事が見つからなかったが、ようやくハッドサッカー社の郵便室に職を得た。
一方、ハッドサッカー社の社長ウェアリング・ハッドサッカーは、何を思ったのか会議中に重役室の窓から身投げをしてしまう。取締役シドニー・J・マスバーガーはこれを好機と見て会社の買収に動き出す。会社の株価を下げるため間抜けを社長に据える必要の出たマスバーガー。そんな彼が新社長に選んだのは、青二才のノーヴィルだった。
コーエン兄弟は恐らくこの映画の製作にあたって、かなりプロデューサーやら何やらに口出しされたのだろう。
バカで純粋なノーヴィルが、運だけで成功をつかみ、堕落し、全てを失った上で、もう一度チャンスを与えられるという、ごく普通のビルドゥングスロマンという、かなり簡潔で分かりやすいサクセスストーリーだし、キャラクターも非常に類型的だ。
コーエン兄弟が苦手!!って人を大勢見てきたが、この作品は万人に胸を張って薦められる。
結構、映画観てる人には物足りないと思うけど。
話は変わるが、僕が思うに、というか世間でも言われていることだが、コーエン兄弟とは常に何かを模倣している、何かにオマージュを捧げている監督だ。
で、今回の『未来は今』は明確にテリーギリアムへのリスペクトで作られている。
具体的に言うと『未来世紀ブラジル』だ。
冒頭の紙が飛び交う職場のシーンなど、ほとんど『未来世紀ブラジル』のコピーだし、
エレベーターボーイの異様なテンションは正にテリーギリアム映画のキャラクターだ。
そういえば『オー、ブラザー』というコーエン兄弟の映画ももテリーギリアムの映画に似ていた覚えがある。
似ているってのは悪いことじゃなくてゴダールも、イーストウッドも、そしてもちろんタランティーノも過去の作品へのオマージュや自分なりの解釈という形で作品を作っている。
僕が残念なのは、邦画にはこういう傾向がみられないこと。
結局、映画好きじゃないやつが撮ってんだろうな〜とつくづく思って悲しくなる。
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