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今年度 最大の奇書 くりぃむしちゅー上田晋也の「経験 この10年くらいのこと」の感想

くりぃむしちゅー上田晋也の「経験 この10年くらいのこと」を読んだ。しかし、この本、なんという安直なネーミングなんだろう。経験って、そのまんまじゃないか(笑)「太田上田」で、太田に「だっせえ、タイトル」って言われてたっけな(笑)
経験 この10年くらいのこと
この本は、タイトルの通り、上田晋也が自身の40代の10年間の非成長の経験を振り返ったエッセイである。

めちゃくちゃ面白いエピソードばかり。しかし気になる点が。

・写真 週刊誌に物申す
・混乱 初めての育児
・事件 娘のお小遣い

など、目次はすべて2文字の単語で構成されている。上田晋也40代に経験した芸人仲間や、家族、大親友である えなりかずき君とのエピソードはどれもめちゃくちゃ面白いのだが、随所に散りばめられる上田の例えツッコミ(ブッコミ)が、やや気になる。

「写真 週刊誌に物申す」では、チュートリアル徳井や河本と、女性もいっしょに食事へ行った際に、週刊誌に写真を撮られスクープされるも、上田だけ一般人と勘違いされモザイクをかけられたエピソードにだが、

この存在感のなさ。限りなく透明に近い上田。『ウォーリーをさがせ!』より、『上田をさがせ!』という本でも出版したほうが、難易度も高くて長時間楽しめるんじゃないだろうか!

「混乱 初めての育児」では、長女が生まれて半年、奥さんが外出し、初めて1人で育児をすることになった時、

家内が家を出てすぐ、体感的には「CoCo壱」がトッピングなしのカレーを出すより早いくらいの時間で娘がかなり大きな声で泣き始めた。

ん?おむつを変えて欲しかっただけじゃなく、ミルクも欲しいのかな、と想い、これも家内に言われた手順で人肌に温め、飲ませてあげた。娘は、山賊の宴のような飲み方でミルクを飲み干し、これで満足かと想いきや、まだ大声で泣いている。

ブッコミまくりである。
ちなみに、娘を隣の部屋に移動させ一人にするとパッと泣き止んだという。しかし、上田が娘のいる部屋に再度行ってみると、また大声で泣き出す。半年間、全く育児をしなかった上田を赤の他人だと思い、娘は大泣きしていたというエピソードだった(笑)

このように上田が10年間の経験にブッコミまくりながら、エピソードが語られていく。こんな、しつこいブッコミもあった。

エクストラバージンオリーブオイルばりにねっとりした汗を、夏の甲子園のマウンドばりに大量にかき、ハツカネズミと同じくらいの速さで打っていた心臓の鼓動が、元のリズムに戻るのに、「どん兵衛」ができるくらいの時間を要したように思う。

このブッコミはあまりにも長い、そして欲しがりすぎている。何に対してのブッコミかは是非、本書を読んでほしい。

上田の例えツッコミが暴走した「昔話し突っ込み」の章

上田のブッコミにも慣れ、笑いながら読みすすめていると、突如として差し込まれたのが、昔話突っ込みの章である。
上田によると、街中で人の会話を聞いてみると、世の中、ボケの人間ばかりで、突っ込みの人間はかなり少ないという。その原因は昔話にあるというのが、上田の考えである。昔話しでは、荒唐無稽で、無茶な話が多いが、突っ込みのポジションをとるキャラクターが皆無であることから、どのキャラクターに感情移入してもボケの感覚が研ぎ澄まされてしまうというのが上田の論である。

そこから、上田があらゆる昔話にぶっこんでいくのだが・・・

桃太郎

むかし、むかし、
二度手間だよ!ボルヴィックの水割りか!
あるところに
漠然としてんな!来月の午後、都会で会おうね、っていうタイプか!
おじいさんとおばあさんが暮らしていました。
至って普通だよ!こんなに普通なのは「かもめはかもめ」依頼だよ!いや「かもめはかもめ」より桃太郎の方が前だよ!

浦島太郎

むかし、むかし、
二度手間だよ!ご飯味のふりかけみたいなもんだよ!
ある日、太郎が浜辺を歩いていると、
もう下の名前で呼び捨てかよ、フワちゃん著か!
村の子どもたちが大きな亀を囲んでいました。
どれくらい大きいのか判然としないよ!比較対象としてショートホープと比べろ!もしくは東京ドーム!

・・・・・・正直、最初に読んだ時は、あっけにとられた。こんな調子で、昔話の一行づつ、上田がぶっこんでいくのだ。しかも「かもめはかもめ」の例えでは、自分でボケを足して、さらにつっこんでいる(笑)ちなみにこの昔話し突っ込みのコーナーでは、地の文より、例えブッコミの文量の方が多いという異常なレベル感に達しているのだ・・・

最後に明かされる、上田がこの本を書いた理由。

やっとの思いで、昔話突っ込みの章を読み終え、上田のあとがきを読んだところ

最初に昔話に突っ込む本を出してくれないか、と依頼して、文句も言わずに動いてくれた古い付き合いのCre-seaの古村君。そしてその後、その昔話にエッセイを足して出すのはどうか?という提案をしたら、それをあっさり受け入れてくれ、私の好きなように書かせてくれたポプラ社の櫻岡さん、感謝してます。

・・・つまり、この本、どうやら、上田がこの昔話突っ込みをやりたかっただけなのである。

今年度、最大の奇書、上田晋也の「経験 この10年くらいのこと」、是非読んでほしい。というか、時間の無駄だったというか・・・
そんな上田晋也が、爆笑田中が脳梗塞で倒れた際に、代役で出演したサンジャポで暴れまくった裏側はこちらです↓
fc0373.hatenablog.com


太田さんのこちらの本は、上田のと違って、本当に素晴らしい本でした。
芸人人語

友だちが一人もできなかった爆笑問題 太田光の孤独だが笑える高校時代のエピソードまとめ
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