宮崎駿が烈火のごとく怒りこきおろし批判した作品まとめ

 宮崎駿が過去に烈火のごとく怒り、批判した作品や監督に関してまとめてみた。

黒澤明作品

黒澤明作品はあと何本観られるのかという問いに対して

「影武者」からやめればよかったのに

宮崎:いや、全然思わないです。作るのやめればよかったのになんて・・・・「影武者」からやめればよかったのにって思ってるんです。本当に。僕は「椿三十郎」でもちょっとヤバいな。って思ってたぐらいですから。
インタビュアー:あれでヤバいんですか?
ヤバいですよ。絶対ヤバいと思う。映画を作る人たちっていうのは、近代人だったんですよ。それが、近代人の心じゃなくなったっていう。いや、僕の妄想かもしれませんけど・・・・・。だから、日本の映画のモノクロ時代の頂点っていうのは、その次代の知識人だとか、近代人であろうとした人たちが映画作ってたんじゃないかって、そういう気がすますけどね。そう思いませんか?(「風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡」より)

日本的なものをやろうとしてたわけじゃないと思うんですよ。むしろ日本的じゃないものをやろうとしてたってことがあるんじゃないかな、って勝手に思ってますけど。それは、例えば、黒澤さんにとってはロシア文学であったり、シェイクスピアであったり。まあ、そんな話はどうでもいいいんですけど。だから、今の映画人は基本的にそうじゃなくなってるんじゃないかなって・・・・・(「風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡」より)

宮崎駿がまだ黒澤明に敬意を持っていた頃の対談のまとめはこちら
fc0373.hatenablog.com

手塚治虫作品

宮崎駿は、かつて、手塚治虫に多大な影響を受けた。当初は漫画家を目指していた宮崎だが、キャラクターがどうしても手塚治虫の絵柄になり、このままでは、自分は、手塚治虫の亜流となるだけで決して超えることはできないと、追い詰められた人間であると自身が語っている。

こんなくだらないもんやってるの!?

彼のスケールを超えることはできないだろうと思って。それで実際、僕は石ノ森章太郎にしてもね。その後に手塚さんの流れを汲んで漫画に入った人たちも一人として彼を越えてないと思うんですよ。だけど、仕事で受けるのと自分の内面の闘いは別ですから、同じ土俵の中で彼の中の一部を引き伸ばして、仕事をやるのかどうかっていう問題ですよ。だから二十代のときにひどい葛藤があったんです、自分の中に。そのときに彼がアニメーションに手を出したことによって僕は救われたんです。逆な言い方をすると「こんなくだらないもんやってるの!?」っていう(笑)(「風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡」より)

ディズニーを否定しきれなかった

「ディズニーを否定しきれなかったんですよ。やっぱり少年の日のまぼろしなんですよ、もう理屈を超えてるような気がするのね。だから『白雪姫』を三十六回観たとかさあ、なんか言うでしょう。あれを今観てみなさい。真面目な視点を持って、これがちゃんと生身の人間だなっていうふうに移し替えて、あの『白雪姫』を。アホ娘ですよ、もう」(「風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡」より)

「ロード・オブ・ザ・リング」(ピーター・ジャクソン監督)

一行のひとりが死ぬ間際に、延々とグズグズとしゃべってる。死ぬ間際の遺言を話させるために、時間を与えてるんでしょ。そういうふうに作為に満ちた作り方の映画が増えている。(宮崎駿「折り返し点 1997~2008」より)

アメリカ人は、ダーッと撃ったら爆発したとか、相変わらずそんな映画ばかりつくってるでしょ。いちばんシンプルにとり残されているのはアメリカ映画です。敵だったらいくらでも殺していいわけで、「ロード・オブ・ザ・リング」だってそうです。敵だったら、民間人でも兵隊でも区別なしに殺していい。誤爆の範囲なんですよ。一体アフガニスタンの攻撃で何人殺してるんですか?それを平気でやっている映画が「ロード・オブ・ザ・リング」です。原作を読めば分かりますけれども、実は殺されているのは、アジア人だったりアフリカ人だったりする。それがわかんないでファンタジーが大好きって言ってるのは馬鹿なんです。(宮崎駿「折り返し点 1997~2008」より)

「インディ・ジョーンズ」(スティーブン・スピルバーグ監督)

白人がバーンと人を撃つでしょ?一緒に喜んでいる日本人っていうのは、信じられないぐらい恥ずかしいことなんですよ。自分はパーンと撃たれる側なんですよね。そういう自覚なしに観るということが信じられない。誇りも歴史観もない。自分がアメリカという国からどういうふうに思われているかも知らない。USアーミーなんて胸につけたシャツを着てね、スタジオの若いやつがパリに行くっていうんで、「お前は馬鹿か」って言うと「ファッションです」って言うんだよね。行ったとたんに、パスポートなんか盗まれて。ざまみろって、そんな話はどうでもいいんですけどね(笑)。(宮崎駿「折り返し点 1997~2008」より)

プライベート・ライアン(スティーブン・スピルバーグ監督)

最低の映画ですよね。空軍が爆撃して、それで終わりになるわけでしょ。それで勝てなかったのがベトナム戦争。(宮崎駿「折り返し点 1997~2008」より)

地獄の黙示録(フランシス・フォード・コッポラ監督)

結局、ベトナム戦争を扱った結果、「分からない」っていう映画を作ったわけですよ。「アジア人は分からない」っていう映画でしょ。なんであんな映画をコッポラが作ったのか理解できませんね。あのヘリコプターのところでワグナーの音楽がかかって、飛行機マニアは喜んで観たっていうけど、多くの飛行機マニアは馬鹿なんですよ。(宮崎駿「折り返し点 1997~2008」より)

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