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押井守がおすすめする映画まとめ

 GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊で知られる世界的映画監督、押井守がおすすめする映画をまとめてみた。

リドリー・スコット

「エイリアン」

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地球への帰路についていた宇宙船ノストロモ号は、ある惑星で異星人の宇宙船を発見し、調査する。しかし、そこで見つけた巨大な卵から飛び出した謎の生物に乗組員のひとりが寄生されてしまう。やがてその生物は成長して異形の怪物となり、宇宙船内で乗組員をひとりまたひとりと抹殺。ただひとり生き残った女性航海士のリプリーは、決死の覚悟で怪物に挑む。(映画.comより)

 押井守の映画づくりのスタイルに最大の影響を与えた、リドリー・スコットの初期作「エイリアン」

押井:「エイリアン」はなんと言っても、あのプロダクションデザインのすばらしさだよね。トータルのデザインがすばらしい。ピカピカの宇宙服じゃなくてさ、ツナギで、バスケットシューズで、アロハで、キャップで、ダラダラ飯食ってて。宇宙船とは言ったって空飛ぶコンビナートだからね。(勝つために戦え!監督ゼッキョー篇)

押井:「エイリアン」のデザインはあらゆるものがよかった。「これがまさに見たかった」という感じ。「スターウォーズ」のミレニアム・ファルコンの対空銃座を見たときよりも興奮した。(勝つために戦え!監督ゼッキョー篇)

「エイリアン」の視聴はこちらから(Prime Video)

「ブラック・レイン」

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ニューヨーク市警の刑事ニックとチャーリーはヤクザの佐藤を逮捕し、日本に連行する。しかし目的地の大阪に到着するなり、佐藤が仲間の手によって逃亡。言葉も通じない国で困惑しながらも、ニックとチャーリーは佐藤の追跡に乗り出す。そんなふたりを監視するベテランの松本警部補。やがてチャーリーが佐藤に惨殺されるという事態に。復讐に燃えるニックは松本とともに佐藤を追う。(映画.comより)

押井:僕がつぎにショックを受けたのは「ブラック・レイン」そのときにリドリー・スコットという監督の本質がわかったわけ。あの人は大阪の街を撮っても見知らぬ惑星のように撮れる人なんだよね。大阪のあの空撮、夕景の。あれはすごかったよね。大阪をああいうふうに撮れる人間は他にはいない。あの大阪は未知の惑星の都市にしか見えない。(勝つために戦え!監督ゼッキョー篇)

「ブラック・レイン」の視聴はこちらから(Prime Video)

「ブレードランナー」

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押井:だいたいアニメの監督やっててリドリー・スコットのレイアウトをパクらなかったヤツはいるのかって。『エイリアン』や『ブレードランナー』にお世話にならなかったアニメの監督がひとりでもいるの?
──とくに『ブレードランナー』は「未来」のビジュアルを変えましたからね。
押井 エポックメイキングだっていうのはそういうことなんだよね。『ブレードランナー』の最終バージョンのプロモーションに一枚嚙んだときに映画館でしゃべったんだけど、やっぱりあれ以降のSFは、あるいは異世界を描いた映画は『ブレードランナー』というドアをくぐらなければ先に行けなくなったんだよ。(勝つために戦え!監督ゼッキョー篇)

押井:『エイリアン』というドアもあるけど、SFを志すものはそのふたつのどちらか、もしくは両方をくぐらなければその先に行けなくなった。エポックメイキングな作品というのはゲートなんだよ。そのゲートをくぐらないとその先には絶対に行けない。それの内実を言えばプロダクションデザインの威力、ビジュアルの威力ということなんだよね。(勝つために戦え!監督ゼッキョー篇)

「ブレードランナー」の視聴はこちらから(Prime Video)

ジョン・カーペンター

「遊星からの物体X」

押井:彼(ジョン・カーペンター)が面白いのは、必ず「なんか」やるんだよ。昔の『遊星よりの物体X』は単に心理的なサスペンスだったんだけど、カーペンターのはもうゲロゲロの『物体X』でさ、そのゲロゲロがすごかったわけじゃない。頭がススッと動くとさ、足が出て、目玉がヒョロッと出して、トコトコトコ……ってあの誰もが語るあのシーン。あれでみんな度肝を抜かれたわけだよね。そういうお茶目な監督だと思うよ。彼自身が語りたい世界観とかさ、彼が実現したい世界観があるかっていったらさ、僕はなにもないと思うんだよね。(勝つために戦え!監督ゼッキョー篇)

 遊星からの物体Xの視聴はこちらから

スタンリー・キューブリック

「2001年宇宙の旅」

 押井守が「2001年宇宙の旅」を観たのは中学生の頃だったという。SF好きの押井は、当時は2001年に「コロッと騙された」と語っているが、今は、冷静に見直し、「人類の食事に関する映画」だと語っている。

押井:類人猿が最初ナスみたいなのをパクパク食ってる。描いてないけど共食いしてる。宇宙船のなかで極めてまずそうに宇宙食を食ってる。最後はこれ以上まずく食えないだろうっていう炒り卵を老人がこうやって食ってる。つまりあれは食う映画なんだよ。たぶんキューブリックの唯一の主張はそこにあった。食べるということを通して人間がどんどんダメになっていく映画。どんどんまずそうに食ってるんだけど、必ずなんか食ってる。ムーンバスっていう月面のシャトルのなかでも、アルミホイルに入ったまずそうなサンドイッチを食ってるんだよ。『2001年』は食事を軸にして語れる。その中で最大の食事は共食いだよ。だからあの映画の本質は狩猟仮説の映画なんだよね。(勝つために戦え!監督ゼッキョー篇)

押井:最後に食ったのはただの炒り卵を、しかもまずそうに。あのすばらしい食堂で、すばらしい食器で。でもついに飯を食うこともできなくなったっていうさ。あの変なナスから始まって、共食いすることで人間は人間になったっていうさ、その末裔があのジジイの炒り卵。(勝つために戦え!監督ゼッキョー篇)

押井:要するに共食いのことだって。それは語られざる『2001年』。僕だけが書いた。ちょっとこれは自慢してもいいかなと。だってみんな気がついてないんだもん。冷静に考えればすぐわかるじゃないの。類人猿が共食いしたから人間になったんだ、ということを言ってるんだからさ、食事に注目するのは当たり前。しかも不用意に延々とやってるんだから。最初のシャトルから延々と。チューブで吸ったりとかさ、色付きの粘土を食ってたり。まあ、キューブリックに関してはそんなところかな。(勝つために戦え!監督ゼッキョー篇)

 2001年宇宙の旅の視聴はこちらから(Prime Video)

クエンティン・タランティーノ

 押井のタランティーノの評価は低い。タランティーノは、表現欲のないのに、映画が好きだから、映画監督になった人間だと評している。だからこそ、コピーや引用の天才であり、本質のない良さが生まれたという。代表作「パルプ・フィクション」の何が良いのか、言語化できる人はほとんどいないが、押井はあえて言うなら「あれは、なにもないから面白い。映画の真似っこをしている面白さだ」と語っている。そんな、押井が一番おもしろかったというのが、デビュー作の「レザボア・ドッグス」だ。

レザボア・ドッグス

『レザボア・ドッグス』は確かに面白かったね。でも冷静になって考えてみると、あれもなにが面白いのかさっぱりわからない(笑)あえて言えばセリフの応酬が面白いっていうさ、それはタランティーノの映画の最大の特徴だよね。あのしゃべくり倒し、ダイアローグの面白さというのは彼の独特のものだよ。『パルプ・フィクション』だって基本的にダイアローグで成立してるんだもん。やっぱりダイアローグが面白い、あの下品さがね。で、下品なことをやってるんだけど、意外に落としどころが面白かったりする。ただのスラング大会じゃない。だからダイアローグライターというのもいいんじゃないかと思うんだけどね。(勝つために戦え!監督ゼッキョー篇)

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