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芸人が語るダウンタウンの本当の凄さ

 ダウンタウンに影響を受けて、尖ってました。のような薄い後輩芸人のエピソードは多いが、ダウンタウンの凄さを具体的に語っている芸人の声は意外と少ないのでまとめてみた。

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ナイツ塙

漫才を「作品」にまで高めてくれた。

ナイツ塙は、著書「言い訳」でダウンタウンの凄さとは、フリートークではなく、「ネタ」にこそあると語っている。

ナイツ塙:二人がすごいのは、やっぱりネタです。ダウンタウン以前の漫才は「こいつゴルフ好きなんです」とか「お前んところの嫁さんは恐ろしいからな」などフリートークの要素が少なからず入っていました。横山やすし西川きよし師匠もそうでした。昔は芸人がフリートークできる場がありませんでした。ネタ番組しかなかったので、それもありだったのでしょう。ところがダウンタウンがその型をぶち壊しました。ストイックにネタを作り込み、漫才を「作品」にまで高めてくれた。ドラマ、映画、音楽に並ぶようなエンターテイメントにしてくれたと言ってもいいと思います。(「言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」より)

 ちなみに、ナイツ塙の「言い訳」は、M-1出場者のネタ分析や、関東芸人と関西芸人の言葉や文化の違いにより分かれるネタの傾向など、読み応え抜群です。

 そして、ダウンタウンのネタに同じく驚愕したと語っているのが、島田紳助である。

島田紳助

 島田紳助は、漫才コンビ「紳助隆介」として活動していた頃、ダウンタウン漫才を見て、コンビ解散を決断したという。

明らかに負けてる。これは、やったらいかんと。

紳助:うめだ花月の袖で、サブロー・シローとダウンタウンの漫才を見てたときに、「アカン」と。サブロー・シローにもダウンタウンにも明らかに負けてる。これは、やったらいかんと。醜態をさらすだけやと。すぐに(吉本)本社へ言って、(紳助竜介)辞めます、って。師匠のところに行って。だから、君らやで。引き金になったのは。
松本:ハハハ(笑)

ピカソの粋に入ってるやんか?

紳助:16ビートの間を減らして、一人がいっぱい喋るっていう漫才ブームが終わって、ダウンタウンが出てきた。ダウンタウンの漫才はテンポが遅かった。おもろいけど、これで売れるか?って疑問だった。本人目の前にしてるから、言うわけじゃないけど、一番おもろいと思うねん、今。ピカソの粋に入ってるやんか?ちゃんとできるのに、それを崩してリアリティをつくっていって、わざとリズム外すかっていう。松本のボケなんて、チェンジアップやんか?まっすぐ速い球投げれるのに、そこでワンポイントずらして投げる。そこで、「気持ち悪い笑い」が起きるやんか?ああいうのってすごく高度な技術やんか?俺は、あれ見た瞬間にダメや!って思ったんや。絶対辞めようと。こんなもんと比べられてやったら、芸能界で、お笑いの世界で、俺は生き残っていけへんと。比べられた瞬間に。だから!辞めなアカンと。

立川談志

 立川談志は、ごっつええ感じ終了後、松本人志が細部にこだわり企画したビデオ作品「HITOSI MATUMOTO VISUALBUM」を鑑賞し、賞賛の言葉を贈っている。

談志:見事ですよ!これは見事です!やっぱり、俺がやってることと同じ…って言ったら、あいつ(松本)は怒るかもしれないけどね。見事なイリュージョンやってる!

談志:注文はある。ほんの、わずかだけどね。それは彼も百も承知だと思うけどね。フィニッシュをどこかで決めてもいいんじゃないかと思うんだけどね。まあ、これはああいうものの宿命なんじゃないかと思うけどね。だけどね、長いとか色々あるけど、基本的には見事。

談志:ああいうものが、支持されているってことは、文化のレベルが高いと思ったの、日本は。俺、バカにしてた。俺以外のやつは全員バカにしてた。

紛争が、非常に不愉快な紛争ですよね?なんか、寿司つぶすとかね。あれ、やってて、よくわかるんです。本人も知ってるでしょ。不愉快なこと。愉快だったら、ドリフターズになっちゃうから。なにが一番いいたいかって、俺がすぱーんと見て、俺は間違ってないと思った。映画でこれに近いことを撮ってる人はいるかもしれない。でもここまで言葉として、不完全な言葉のやりとり。とってもよくわかるんですよ。

談志:いくらか俺の方が先輩だし、ものがわかってるから、余計に生きてるから、エールを送ってるけどね。本来ならね。エールなんて、送ってる場合じゃないんですよ。あいつ、つぶしにいく芸をやらなきゃいけないんですよ。

水道橋博士

 浅草キッドの水道橋博士は、ビートたけしに憧れ、たけし軍団に入ったのだが、ダウンタウンと共演した際、あまりの凄さに圧倒され、25年間、共演を断り続けてきたことを著書「藝人春秋」で語っている。

客前で、他を支配する圧力が強い

芸人なら誰しも同じ舞台に立てば自明なのだが一瞬にして、それが理解できた。 彼らは若くして既に自分たちの「伝説」が始まっている、その確信が漂っていた。 かつて故・ナンシー関がダウンタウンを「(お笑いの能力の)地肩が強い」と評していたが、このコンビは客前(カメラ前)において、他を支配する圧力(この人が何か表現を発すれば面白いに決まっているという同調圧力)がお笑いとして強い。 これは同じ舞台(競技)を踏んだ芸人なら誰もがわかる皮膚感なのだ。 (「藝人春秋より」

当時、東京で始めたレギュラー番組『ガキの使いやあらへんで!!』の異次元レベルのフリートーク、そして『ごっつええ感じ』で90年代に週間単位で作り続けたコントのクオリティは今でも後進が凌駕できない高い壁として立ちはだかっている。(「藝人春秋」より)

 「北野武と松本人志を巡る50年」など、水道橋博士の名著「藝人春秋」はこちら

東野幸治

俺の世界線には、ダウンタウンって存在してないねん。

 高校生時代からダウンタウンと共演し、あまりの凄さに芸能界におけるダウンタウンという存在を頭の中から消していることを「酒と話と徳井と芸人 」で語っていた。

徳井:ラジオでも東野さん、言ってたじゃないですか?ダウンタウンは無いものだと考えてるって。
東野:そうそうそう。俺の仕事の地球上、世界線には、ダウンタウンって存在してないねん(笑)勝手に頭の中から、消して芸能界生きてると、こんな芸能界って楽なんやと。
徳井:あの東野さんでもダウンタウンってそんなにヤバいと思ってるんだと思って。俺らからしたら、20年くらい先輩なんで、そりゃ凄いじゃないですか?
東野:うんうんうん。
徳井:でも3年くらいですか?それで桁違いの感覚って凄いですよね。
東野:そりゃ凄いよ!だから、もう圧倒的やから。

東野:吉本に多額の収益をもたらしてるやん?作品もしかり、みんな気づいてないけど、NSCの入学金って、ダウンタウンさんのギャラやからな。ダウンタウンさんの頑張りによって1年間1億~2億があたり前に入ってきてるしさあ。それが20年っていったらな。だから、後にも先にもそんな存在は「売上」っていう面では。

東野:さんまさんも凄いけど、さんまさんの凄さって、TVで面白いことをやり続ける凄さやん?ダウンタウンさん、特に松本さんはサザンオールスターズ的なところあるやん?曲も作るし、詩も書くし、歌うし。

東野:よく会議とかしてるじゃないですか?ごっつの会議とか。どうしようどうしようってなってる時に、急に松本さんがぽろぽろぽろっていったことがものすごい面白いんですよ。自分が何か言うことより、絶対面白いから、何も言いたくなくなってくんねん。で、スピードが凄いねん。ほんで、1時間半ぐらいの会議が終わった後、いっつも悲しい気持ちになって帰るから、何回か車で事故りそうになったもん。すみませんね。ほんと。なかなか(松本さんに)会えへんから。

キングコング西野亮廣

 キングコングの西野亮廣は、2020年4月30日、「西野亮廣エンタメ研究所」で、松本人志は、万人に支持されるハードを生み出している点が、他の大物芸人と一線を画する点であると語っている。

ハードをつくっている

西野:他の大物芸人さんと、松本さんって何が違うんだろうって考えた時に、一番は、ハードをつくっているということですね。皆せっせとソフトを作っているのに、例えるならドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーを作っているのに、松本さんだけファミリーコンピュータを作ってしまったということです。そして、「ハード」という例えが暗に発信しているメッセージは、「ソフトを作るならこの差込口に合うようにお願いします」ということで、みんなその口にならざるを得ないということです。それでご本人は、そういうハードを作りながら、スーパーマリオ的なソフトを作られるわけじゃないですか。

西野:もう一人で任天堂みたいなことをずっとされていると。『大喜利』にしても、『すべらない話』にしても、ハードを作る人は過去にもいたのですが、松本さんのハード作りで、本当にすごいなあと思うところがあります。

松本が発明したフリップ大喜利の凄さ

セット費がかからないということです。大喜利はフリップとペンでいけるし、『すべらない話』はサイコロ、「写真で一言」なら写真です。セット費がかからないので、若手ライブでも引用されるし、お笑いが好きな中学生や高校生、父ちゃんも母ちゃんもプレーできます。本当に、ファミリーコンピューターみたいなことをされています。

セット費の延長になるのですが、プレーに必要なものを極限まで減らしているので「古くならない」ということです。古くならないということは、本当に大きいんです。フリップの大喜利って、古くなっていないじゃないですか。落語や漫才ぐらいの伝統芸能感がありますよね。操作感という言い方をしたりしますが、スマホ画面を横にスライドする時に、若干の引っかかりがあったほうがユーザーには喜ばれたりするんですね。

ガチャガチャなども、すぐに出てくるのではなく、ガリッガリッガリッと、3回くらい回して出てきてくれた方が、なんか嬉しいじゃないすか。それに近いものがこの大喜利にもあって、フリップをひっくり返す時に「どうだっ」という快感がある。つまり、なぜかやりたくなるんです。これは、子供の時からずっとそうなんです。


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