日本最後の思想家 東浩紀が絶賛し、おすすめする本まとめ

日本最後の思想家 東浩紀が絶賛し、おすすめする本をまとめてみた。

東浩紀とは

毎日新聞より

 日本の批評家、哲学者[注釈 、小説家。学位は博士(学術)(東京大学・1999年)。株式会社ゲンロン創業者及び取締役、合同会社シラス元代表取締役。
 思想書『存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』でデビュー。文芸書として異例の売れ行きとなり、20代から論壇の中心として批評活動を行った。 

小説

『九十九十九』(舞城王太郎)

東:舞城はたいへんすばらしい作家です。ぼくは何度もそれは書いています。(東浩紀のTwitter)

東:あれは舞城の最高傑作で、そしてぼくも全力を尽くしてそれに挑んだつもりだったのだけど、あの批評の手法はあとが続きませんでしたね。いま思えば、あの批評が賛同以前にぜんぜん論理的に理解されなかったあたりで、文芸批評がイヤになり始めましたね。。(東浩紀のTwitter)

『ねじまき鳥クロニクル』(村上春樹)


【東のおすすめコメント】

東:ところで最近満州について調べているので「ねじまき鳥クロニクル」を20年ぶりに読み直したのだけど、たいへんすばらしい小説なのでびっくりしました。率直にいって感動しました。20年前にはこれはわかっていなかった。。。(東浩紀のTwitter)

東:この小説の「底の深さ」は20代のときはわからなかったですねー(東浩紀のTwitter)

『8月の果て』(柳美里)

東:柳美里さん @yu_miri_0622 の本の帯を書きました。この小説については『新対話篇』所収の飴屋法水さん交えての鼎談でも語っています。15年以上前の小説ですが、じつは僕はその時初めて読み、こんな傑作だったのかと驚いたのでした。ぜひお読みください。


『神への長い道』(小松左京)


【東のおすすめコメント】

東:ぼくの原点ですね。(東浩紀のTwitter)


『アメリカの壁』(小松左京)


【東のおすすめコメント】

東:おすすめです。


『順列都市<上><下>』(グレッグ・イーガン)

【東のおすすめコメント】

東:グレッグ・イーガンは、何十年に一度出るか出ないかのSF作家で、サイバーパンク以降もっとも傑出した才能を持っている。そのイーガンの小説の中でも、もっとも純粋にイーガンの世界観や人間観が出ているのがこの『順列都市』です。これは、人間を人工知能にするということが何を意味するのかということを、私たちの想像を遥かに超えるかたちで描いており、とても面白い。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

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思想

『内省と遡行』(柄谷行人)

【東のおすすめコメント】

東:まずこれは、単に柄谷行人の中で僕が一番最初に読んだ本なので挙げました。本を買ったのは高校3年生のとき。でも文章に最初に触れたのは、高1か高2の模試の国語の長文のテストです。本を読んだら、すぐにそのテストに出ていた文章だと分かりました。なにか力があるんですね。いずれにせよ、批評家・哲学者としての僕の活動はこの本から始まります。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

『定本 物語消費論』(大塚英志)

【東のおすすめコメント】

東:大塚英志は、90年代以降の日本社会を考えるうえでは外せない書き手です。変な振る舞いや韜晦が多い人なので誤解されていますが、基本的な軸としては、日本の消費社会はいったいどこへ行くのか、戦後民主主義はどこに行くのかをきわめて真剣に考えている。その大塚英志の出発点が『物語消費論』です。これをきっかけにほかの本も読んで見てはいかがでしょうか。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

『制服少女たちの選択』(宮台真司)

【東のおすすめコメント】

東:宮台さんも様々に誤解されていますが――というか、90年代以降は誤解されている人しかいないんです――、とても大事なひとです。宮台さんの仕事はある意味大塚英志よりも分かりにくい。発言が分散してしまっていて、本は無数にあるんだけど、この本を読めば良いというのがあまりない。それでも宮台真司でどれか一冊挙げろと言われたら、この『制服少女たちの選択』になります。理論とフィールドワーク、政治とサブカルチャーの宮台的な混合がいちばんよく現れている。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

『隷従への道―全体主義と自由』(フリードリヒ・A・ハイエク)

【東のおすすめコメント】

東:自由とは何かについて考えるならまずハイエク。そしてハイエクといえばこの本です。とにかく読みましょう。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

『言葉と物』(ミシェル・フーコー)

【東のおすすめコメント】

東:フーコーといえば『言葉と物』なんですが、『監獄の誕生』とどちらを挙げるかは迷いました。フーコーは「近代とは何か」、そして「人間はどうして近代の終わりに立っているのか」ということをもっともきちんと考察した人です。そしてその一番まとまった本がこの本です。近代の終わりなんて皮相的だ、とか言うひとは、ぜひいちどこの本を味わって読んでもらいたいですね。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

『アンチ・オイディプス』(ジル・ドゥルーズ;フェリックス・ガタリ)

【東のおすすめコメント】

東:フランス現代思想が生み出した最大の奇書。いわゆる「フランス現代思想」のスタイルここに極まりといった感じで、ぱっと読んでもさっぱり意味がわかりませんが、奇書だと思って読めば非常に面白いアイデアがいっぱい詰まっている。ちょっと狂気を抱えた二人の哲学者が、ナゾの人文系統一理論を創ろうとした、といった感じの本。いつかこんな本を書いてみたいものです。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

『アナーキー・国家・ユートピア』(ロバート・ノージック)

【東のおすすめコメント】

東:これも重要な本です。最近「小さな政府」という言葉が良く言われますが、そういう思想の源泉がこれです。したがって読んでおくべきだと思います。ハイエクとノージックを読んでおけば、いま僕達がどのような世界に生きているのかが、大体わかると思います。こういう本がどうしてフーコーの横に置いてないんでしょうね。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

『システムの科学』(ハーバート・A・サイモン)

【東のおすすめコメント】

東:この本も現代思想系の人はあまり知らないと思いますけど、組織工学や経営学ではきわめて重要な本ですね。人工知能や社会学のアイデアも詰まっています。宮台真司さんは好きみたいですね。システム論に興味あるひとにとっては必読。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

『実践の倫理』(ピーター・シンガー)

【東のおすすめコメント】

東:別に人間と動物との間に境界線を引く必要はなく、重要な境界線はもっと別の形で引けるのではないかと唱えている。例えば、「類人猿のほうが胎児より苦しむ能力があるのだから、オランウータンの権利を胎児の人権より優先するべきなのではないか」というようなことを書いている。その一貫性はすごい。読んだことが無い人は衝撃を受けるのではないかと思います。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

『危険社会―新しい近代への道』(ウルリヒ・ベック)

【東のおすすめコメント】

東:リスクとかセキュリティという言葉が最近良く使われていますが、そういう問題点について指摘した本ですね。私たちの社会はリスクに覆われていて、産業社会では富でいろんなことが決定したけれど、ポストモダン社会における階級はリスクの配分によって決まるんだと指摘している。その指摘は色褪せていないどころか、ますます重要になっている。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

『グラモフォン・フィルム・タイプライター』(フリードリヒ・A・キットラー)

【東のおすすめコメント】

東:キットラーの仕事が面白いのは、精神分析的言説もまた20世紀のメディアが生み出した言説だ、という相対化の視点があるところです。心の理論や社会の理論はメディアの形がつくっていくのだ、ということを言った本で、独特の論理展開に慣れる必要がありますが、コツさえ掴めば面白い本だと思います。メディア論の本を何冊も読むよりは、これ一冊読み解いたほうが勉強になると思います。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

専門書

『CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー』(ローレンス・レッシグ)


【東のおすすめコメント】

東:これは重要な本。いまさら解説する必要はないと思いますが、いまインターネットにおける法規制とか、知的財産権とか、アーキテクチャの権力がどうとかいう問題を考えるのであれば必読。さっきから説明の長短が偏ってますが、短いから軽視ということではありません。ハイエクとレッシグはとても大事です。(紀伊國屋書店 東浩紀選)

『クオリアと人工意識』(茂木健一郎)

【東のおすすめコメント】

東:これはいい本でしたー!
シラスの泥酔している茂木さんしか知らないぼくのフォロワーにおすすめですw(東浩紀のTwitter)

『アイヌ学入門』(瀬川拓郎)

【東のおすすめコメント】

東:いずれにせよ、瀬川拓郎氏の「アイヌ学入門」は、とても体系的で新しい歴史的な知見も入っていて、ぼくのような「無知な評論家」にとってとてもおもしろく読めた本でした。業界の話は知りませんが、ぼくはこれでいろいろ蒙を啓かれました。おすすめです。(東浩紀のTwitter)

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【参考文献】
https://twitter.com/hazuma
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