天才作家、舞城王太郎とは何が凄いのか?を知りたい人
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アニメ界の巨匠 高畑勲の凄さを語る声まとめ
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舞城王太郎を称賛する文学会の関係者の声を中心に舞城の凄さについて、まとめています。
それでは、さっそく見ていきましょう。
舞城王太郎の凄さを語る声
筒井康隆(小説家)
筒井康隆は三島由紀夫賞を受賞した舞上の『阿修羅ガール』をこう評した。
現代女子高生の言葉遣いのリアリティは初めての成功例で功績
筒井:少女漫画にはよく現代女子中学生や女子高生の言葉遣いがそのまま使われていて、いずれもリアリティがあり、刺戟的で面白い。
これは小説の中でも使われることがあるが、少なくとも三島賞の対象となるような作品において使われたときはなぜかわざとらしく不自然で、たいていは失敗に終っている。
(第16回三島由紀夫賞)
筒井:舞城王太郎の「阿修羅ガール」では、これが女主人公の一人称として生き生きと使われている。
長篇の大部分がこの女の子の一人称だから、作者には相当の自信があったのだろう。
文章が今までになく躍如としていて、これは初めての成功例と言ってよく、ひとつの功績として残したい作品だ。
(第16回三島由紀夫賞)
福田和也(批評家)
批評家の福田和也は三島由紀夫賞を受賞した舞上の『阿修羅ガール』をこう評した。
ページから、どんどん風が吹いてくる
福田:ページから、どんどん風が吹いてくる。レッド・ツェッペリンとかブラック・フラッグとかのLPをはじめて聞いた時の感じ。その感触が、まだ見ぬものへの畏れを喚起する楽しみ。これからである。
(第16回三島由紀夫賞)
東浩紀(哲学者)
哲学者の東浩紀は、舞城王太郎の作品全般を称賛し、中でも『九十九十九』を最高傑作としている。
『九十九十九』は傑作で、全力を尽くして批評した
東:舞城はたいへんすばらしい作家です。ぼくは何度もそれは書いています。(東浩紀のTwitter)
東:あれ(『九十九十九』)は舞城の最高傑作で、そしてぼくも全力を尽くしてそれに挑んだつもりだったのだけど、あの批評の手法はあとが続きませんでしたね。
いま思えば、あの批評が賛同以前にぜんぜん論理的に理解されなかったあたりで、文芸批評がイヤになり始めましたね。。
(東浩紀のTwitter)
豊崎由美(書評家)
こんな作家は滅多に登場するもんじゃない
豊崎:舞城作品には多くの死が転がっている。
常軌を逸した暴力もある。しかし、一方で笑いがある。
ナイーブな純情がある。
そして、それを記述する文体にはリズムがある、スピードがある、個性がある。
こんな新人は滅多に登場するもんじゃない
(豊崎由美『そんなに読んで、どうするの?』)
計算ずくの文章を、あたかも乱暴に書き殴っただけのように読ませている作家
豊崎:舞城氏の文章は読みやすくスピード感に溢れているので、つい見逃しがちなんではあるが、実は句読点の打ち方や文末の〆に細心の注意が払われている。
そんな計算ずくの文章を、あたかも乱暴に書き殴っただけのように読ませている作家なのだ。凄くない?
(豊崎由美『そんなに読んで、どうするの?』)