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デヴィッド・フィンチャー「ゴーンガール」を見た。

デヴィッド・フィンチャー監督の最新作「ゴーンガール」を見た。あらすじはこんな感じ。


結婚記念日に、ニック・ダン(アフレック)が帰宅すると妻のエイミー(パイク)が失踪していた。ロンダ・ボニー刑事(ディケンズ)は取り調べによると、ニックは妻の日常をほとんど知らず、捜査で夫妻には金銭的問題、家庭内暴力があったことなど、出てくる証拠は全て彼に不利なもので、ニックは第一容疑者になる。


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やはりフィンチャーは今回もやってくれた。とにかく面白い。
ドラゴン・タトゥーの女ばりのオープニングを期待していたが、今回はかなり淡々と静かに物語は始まる。フィンチャーにしては、映像技工ばりばりというよりは、むしろ地味だなあと思ったら、町山さんがラジオで、フィンチャーはすごいことをやっているのにすごくないように見えるという高みに達しているとのこと。

まあ、何が面白いってとにかく脚本がすごい。
全然知らなかったのだが、この映画の同名原作本は全世界600万部の大ベストセラーらしい。
そしてその原作者であるギリアムフリン自身がこの映画の脚色も務めている。

失踪した妻のエイミーを探す夫ニックダン。
最初は、皆彼に同情的だが、だんだんと物語の様相が変わる。とにかく、異常な夫婦関係なのだ。
なにしろ、ニックダンは、エイミーの血液型も知らない。エイミーの仲の良い友だちも知らない。エイミーのことを何も知らないのだ。

ここでオープニングのシーンを思い出す。
妻の頭の中を見てみたい。君は一体何を考えてるの??

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ここからネタバレになるが、
この失踪劇すべてエイミーが仕掛けていたのだ。現場に残っていた血液も、自分で血を抜き床にぶちまけた。このままでは、妻殺害の容疑で逮捕されてしまうと考えたニックダンは、敏腕弁護士を雇い、メディアを通じて可哀想な夫を演じる。

TVを通じて妻が失踪したかわいそうな純朴な夫を演じきるニックダンを見た
エイミーの表情が変わる。

これこそ私の夫よ、と。ちゃんと自分の役割を演じられるようになったじゃないと。。




この映画を見て思い出したのが、園子温監督の「紀子の食卓」だ。

紀子の食卓 予告 - YouTube


家族との関係に違和感を覚えた紀子はある日東京に家出をする。
ネットを通じて知り合ったクミコを訪ねるが、彼女はレンタル家族という不思議な虚構の世界で生きていたのだ。

レンタル家族とは、顧客の要望に合わせ家族や恋人を演じてあげるサービスのこと。

自分と自分の関係は?
自分と自分の家族の関係は?

虚構の世界で家族を演じ続ける紀子。

そんな中、紀子の父がレンタル家族の顧客として、紀子の前に現れる。



ゴーンガールのニックも夫婦間における自分の役割というものを、
敏腕弁護士の指導のもと、演じ続ける。

そんな彼を見て戻ってきたエイミーの前で、彼は最後に試されることになる。
夫の役割を演じるということを。