押井守が語る細田守の監督としての弱点

 押井守と「サマーウォーズ」「時をかける少女」で知られる細田守の知られざる関係についてまとめてみる。

押井は、「ガルム戦記」制作で若手の細田守をスカウトする

 1997年、バンダイによる24億という巨額の出資が行われた「ガルム戦記」。監督の押井は、実写・アニメ・CGを融合させた作品を目指し、スタッフを集めた。当時、樋口真嗣や細田守に才能を見出し『ガルム戦記』の制作にスカウトするも、諸事情により企画は凍結した。

細田守は、押井の娘の結婚式の映像制作を行う

 その後、細田守は、押井守の娘と小説家 乙一の結婚披露宴で流す映像を制作したのだという。細田自身、「紅い眼鏡/The Red Spectacles」以来の押井ファンを公言している。 

押井守が語る細田守の監督としての評価

 細田守の「竜とそばかすの姫」について、押井が連載で感想をインタビューされるも、細田作品は、「時をかける少女」と「サマーウォーズ」を15分づつしか見ていないとのこと(笑)。細田からは、宮崎駿の影がちらつくと押井は評する

何となく宮さんの影はちらつく

押井:でも、何となく宮さん(宮崎駿)の影はちらつくよね。タイトルもソレっぽい。細田くんじゃなくプロデューサーや配給が仕かけているのかもしれないけど。
ー「サマーウォーズ」のジブリ臭は強烈でびっくりしました。その後に観た「時をかける少女」はあだち充している感じだった。ヒット作のいいとこどりが上手い人だという印象でしたね。私がそう言ったら押井さんは「細田くんはコピーの天才」と表現していましたよ。
押井:コピーの天才はみんな無意識なの。だから上手。あだち充というのは、確かにそうかもね。間の取り方が似ているからかもしれない。(ぴあ 押井守のあの映画のアレ、なんだっけ?)

演出力、表現力もあるが、何をやりたいかはわからない

 押井は、「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明を例に出し演出家として一流だと評価した上で、監督としては決定的に「テーマ」が足りないと評している。その流れの中で、細田守についても同様に語っていた。

細田くんは演出力はあるし、表現力もありますよ。でも、まだ何をやりたいのかはわからない。(ぴあ 押井守のあの映画のアレ、なんだっけ?)

表現とテーマは別物です。奇抜な演出をするのも、新しい演出スタイルを創り出すのもテーマじゃない。何を実現したいのか、これが大切だと、私や宮さんは、映画を作るときには常に考えているんです。でもさ、それは庵野に限ったことじゃないんだよ。彼より下の監督たち、細田くんや、「君の名は。」の新海誠とか。彼らに共通しているのは、主題の喪失。違う言い方をすると、映画を作るという根本的な動機が感じられないということになる。(ぴあ 押井守のあの映画のアレ、なんだっけ?)

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