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お笑い界を決定的に変えてしまった松本人志「遺書」の内容と影響について

 その後の芸人に多大なる影響を与えたダウンタウン松本人志の「遺書」。250万部の大ベストセラーとなった「遺書」の内容と与えた影響についてまとめてみる。

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松本人志の独特の思考

 「遺書」では、松本人志はお笑い界では自分が圧倒的に一番であり、さらにお笑いというジャンルの凄さ(他ジャンルの軽視)がみられる。

オレにとって、目の前の客を笑わせることなど造作もないことである。(松本人志「遺書」より)

 「ガキの使いやあらへんで」で打ち合わせなしのフリートークをやっており、それでハッキリと証明されていると松本は語っている。

そういえば昔、オレもクスリをやっているのではないかと言われたことを思い出す。ー中略ーオレの独自の超人的発想を目の当たりにしてしまっては、そうカン違いされても仕方ない。(松本人志「遺書」より)

斜め上に行ってしまうと、誰もついてこないと思うんです(松本人志「遺書」より)

 誰に言われなくても、「自分で自分を正しい」と考えているという松本だが、たまに自分がちょっと「斜め上」に行ってしまっているのかなあと思うことから、誰もついてこない斜め上ではなく、上に進んでいきたいと語っている。

「オレが嫌いなのは野球ではなく、あの必要以上に熱狂するファンなのだ。
結局、ヤツらは学校や仕事先でがんばれてなかったり、勝ててなかったりするヤツらの集まりで、それをひいきチームに託し、そのチームががんばれば自分もがんばった気になるし、勝てば、まるで自分が勝ったような気になるのだ。
オレのように、毎日戦っている人間なら、人を応援する余裕なんてあるわけがない。
(松本人志「遺書」より)

 松本は、「ごっつええ感じ」が野球中継の延長で潰されたことに怒り、番組を終了させた過去もある。野球について、語っているのは、その流れからである。

松本が認める芸人

 松本は「遺書」の中で、お笑い界で自分が一番と豪語しながらも、認めている芸人として4人を挙げている。

島田紳助

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動き(視覚)で笑わす芸人と、しゃべり(聴覚)で笑わす芸人がいるとしたら、この人は間違いなく後者である。聴覚で笑わすほうが男ットコ前だと思え、オレはこのオッサンを心の師と仰いでいる。ー中略ーもしもの世にテレビがなく、ラジオだけだったとしたら、このオッサンは間違いなく天下を取っているだろう。あの頭の回転の速さは、まさに男ットコ前なのである。(松本人志「遺書」より)

 松本人志と島田紳助の深い関係・エピソードはこちらから
fc0373.hatenablog.com

志村けん

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オレはドラマも出ないし、歌も出さない。お笑い一本で勝負する。そのお手本がこのオッサンである。本当にお笑いが好きで、お笑い以外は考えられないという一途さは、なんて男ットコ前なのだろうか。いつまでも浮気しないでコントをやり続けてもらいたいものである。(松本人志「遺書」より)

大竹まこと

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あの破壊力、パワーは男ットコ前だ。コメディアンというのは、どこか犯罪者のにおいがしたほうがいい。そういう意味でもこのオッサンは何をしでかすか分からない。いや、しでかした後のような危険があり、畳の上では○ねないような男ットコ前さを感じる。俺が大好きな「鳴かぬなら○してしまえホトトギス」タイプに男ットコ前だ。(松本人志「遺書」より)

浜田雅功

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芸人には天才タイプと努力タイプがいる、もちろん俺は天才タイプ。アイツ(浜田)は努力タイプである。コンビを組んで間もないころ、「あそこのコンビはツッコミが下手」というのをしばしば耳にした。もともと負けず嫌いの正確のアイツは先輩漫才師のツッコミを見て、それこそ遮二無二、勉強したのだろう。それに引き換え今の若いコメディアンは、ジャンプしてつっこんだり、回し蹴りでつっこんだり、そんなことでは、いつまでたっても浜田は抜けないよ。(松本人志「遺書」より)

「遺書」に影響を受けた芸人

 松本人志「遺書」は、芸人界で良くも悪くも様々な影響を及ぼした。「遺書」の影響を語る芸人の声とまとめてみた。

マヂカルラブリー 野田クリスタル

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 野田は、学生時代に松本人志の「遺書」を友人に配り、勝手に布教していたのだという。当時、松本の影響で野田は坊主頭にしていたという。その後、16歳で吉本興業に所属し、M-1グランプリ2004年に三回戦に進出するなど、若くに頭角を現し、まわりの芸人を見下しているうちに芸人界の友人は一人もいなくなったのだという。

品川庄司 品川

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 品川は、ダウンタウンが取材で写真を撮る時に一切笑わないと聞いたり、遺書の松本人志の発言に影響され、「面白ければ、それだけでいい」と勘違いし、スタッフへ横暴な態度を取り、結果的に干されたという(笑)

松本人志の「遺書」はなにを変えてしまったのか

 当時の松本人志の「遺書」含め、発言がお笑い界に一体どんな影響を及ぼしたのか、バナナマンのブレーンであり、「ゴッドタン」や「ドラゴン桜」の放送作家・脚本家のオークラは、こう語っている。

1990年代初頭、物心ついた時からドリフ、BIG3、とんねるず、ウッチャンナンチャンなどとテレビから流れるお笑い番組を当たり前のように見て育った第2次ベビーブーム世代の若者たちは、1人のカリスマによってある啓蒙を受けた。 「全エンターテインメントの頂点に立つのがお笑いで、面白くないヤツはセンスがない。面白ければ大抵のことは許される」 このお笑い至上主義な考え方は、勉強やスポーツができなくても、楽器が弾けなくても、容姿がイマイチでもいい。だって俺は面白いからと自信を与えてくれた。そのカリスマとは言わずと知れたダウンタウン松本人志さんで、彼に触発された若者たちがこぞってお笑いの世界を目指した。(オークラ「自意識とコメディの日々」より)

オークラが語るバナナマン、おぎやはぎ、ラーメンズと共に過ごした青春と葛藤の日々はこちらの著書から。

ナイツ塙によるM-1出場者のネタ分析や、関東芸人と関西芸人の言葉や文化の違いにより分かれるネタの傾向など、ダウンタウンの本当の凄さなど、M-1・お笑い評論の決定版はこちら

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