天才 尾田栄一郎の凄さがわかるエピソードまとめ

 天才 尾田栄一郎の凄さがわかるエピソードをまとめてみた。

鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)


 鈴木敏夫は自身が大好きな映画『次郎長三国志』の森繁久彌演じるキャラクターが、黒澤明、宮崎駿、そして尾田栄一郎というクリエイターに描かれつづけてきた「一途でひたむきな姿」であると語っている。

『次郎長三国志』。酒癖が悪いことから事件を起こし故郷を追われるという次郎長像は、ヒーローとは対極の設定だった。問題が起こると1人で抱え込まずに、仲間たちに相談するのだが「その姿が人間としてとてもリアル。テーマは笑いと涙で、まさに大人が楽しむための深い時代劇だった」と鈴木は解説する。
お気に入りのキャラクターは、森繁久彌演じる森の石松。鈴木はこのキャラクターを「一途で、ひたむきで、一所懸命で、けなげ」と表現するが、それこそまさに宮崎駿監督が映画『崖の上のポニョ』に至るまで描き続けてきた主要キャラクターの姿である。「改めてこのシリーズを見直すと、ここから来ているのかと思うし、まさに原点ここにありです。さらに宮崎監督より前で考えていくと、黒澤明監督に行き着き、そして現代では尾田さんの『ONE PIECE』にたどり着くわけです」。

堀越耕平(漫画家)

『僕のヒーローアカデミア』

 『僕のヒーローアカデミア』の作者、堀越耕平は尾田栄一郎の影響をこう語っている。
ー堀越先生が『OP』から受けた影響はありますか?

堀越:なんだろう…。キャラが自分の気持ちを口に出す、というところは影響受けてます。自然とですね。

織田:でも僕が連載を始めた時代は、風向きが違ったんですよ。ルフィのようにキャラが思ったことを喋るのは恥ずかしいとされていた。

堀越:ええっ。でも僕の世代の作家はみんなやってました。(尾田栄一郎×堀越耕平対談より)

OKAMOTO'S オカモトショウ

SUUMOより

 ロックバンド OKAMOTO'S オカモトショウは、尾田栄一郎の凄さを「普通であるということを自認した上で、面白い作品をつくる凄さ」にあると言う。

――漫画家としての尾田さんのすごさは、どんなところにあると思いますか?

 一人の作家を特集する『ジャンプ流!』というDVD付きのムックがあって、全巻揃えているんですけど、尾田先生のインタビューがすごく面白くて。「僕は世間で流行ったもの全部に流されるだけ流れてきた。今では普通の人の気持ちがよく分かるのが強みだと思っている」みたいなことを言っていて、めっちゃ感動したんです。それを貫けているからこそ、『ONE PIECE』みたいな作品を生み出せるし、描き続けられるんだなと。音楽もそうだと思いますが、モノを作る人間が“自分は普通だ”ということを受け入れるのって、すごく難しいんですよ。「一般の読者はこういうものが好きなんでしょ?」と、高をくくっている感覚が一切なくて、自分が普通であるということを自認した上で、面白い作品をつくるのは本当にスゴい。ある意味では、自分の「ダサさ」を隠さないことでもあるので。(2022年4月14日RealSound『月刊オカモトショウ』より「普通の人の気持ちがわかる」尾田栄一郎のすごさ|Real Sound|リアルサウンド ブック

長峯達也(映画監督・『ONE PIECE FILM Z』監督)

シネマカフェより

 『ONE PIECE FILM Z』の監督をつとめた長峯達也は、敵のボスであるゼットのキャラクターづくりに尾田栄一郎の凄さを感じたのだという。

長峯:尾田先生のキャラクター作りの裏側を垣間見ました。敵のボスとなるゼットは74歳ぐらいのキャラクターですが、74年分の歴史があるわけです。僕なんかは、「過去に妻を殺されて悲しいことがあった」という3行ぐらいのバックグラウンドでキャラを作ったのですが、尾田先生から「それじゃダメだ。ゼットの年表を書いてくれ」と言われました。そこで先生からヒアリングをして、何度かやり取りをしながらゼットの年表を作った。すると尾田先生もお忙しいのに、その年表に沿ったエピソードを絵で描いてくれるんです。感激しますよね。だから劇中に登場するゼットの過去のエピソードは、尾田先生が描いた絵をそのまま使っている。ゼットの子どもの頃の絵とかも、全部そのまんま。せっかく描いていただいたんだから全部使わなきゃもったいない。(2012年12月10日 ワンピース監督が語る「尾田ワールド」の凄さhttps://toyokeizai.net/articles/-/12163より

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