今や伝説となった漫画『寄生獣』の作者 天才岩明均の圧倒的な凄さと独特の創作法についてまとめてみた。
『寄生獣』とは
あらすじ:シンイチ…『悪魔』というのを本で調べたが…いちばんそれに近い生物はやはり人間だと思うぞ…他の動物の頭に寄生して神経を支配する寄生生物。高校生・新一と、彼の右手に誤って寄生したミギーは互いの命を守るため、人間を食べる他の寄生生物との戦いを始めた。(BOOKデータベースより)
連載終了後、あまりの面白さは世界に伝播しハリウッドでの映画化がかねてよりずっと噂されていた。2014年には、山崎貴監督により実写映画化され話題を呼んだ。
岩明均の天才性を語る識者の声
ここでは、岩明均の天才性を語る識者の声についてまとめてみる。
夏目房之介(漫画批評家)
戦後漫画の祖、手塚治虫が「人間と違うもの」をテーマにして、それと争いながら、どうやって和解するか?どうやって平和になっていくかっていう話を始めたんですよ。これが戦後漫画の連綿とテーマになってる。その中に(寄生獣は)位置づけられる。(1998年05月25日~28日放送分『BS漫画夜話』より)
これは寄生されちゃうから、付き合わざるを得なくてお互いを理解していくと。最後は本当に違うもの同士が理解しあえるのかどうかというモラル多分、この人はね最後はモラルのところまで行きたいんだと思う。(1998年05月25日~28日放送分『BS漫画夜話』より)
ひろゆき
ひろゆきはかねてより自信のYouTubeチャンネルで、面白い漫画として『寄生獣』をおすすめし続けてきた。
ひろゆき:僕、『寄生獣』ていう漫画が面白いよねっていう話をちょこちょこしてるんですけど、岩明均さんがもう20年前くらいに描いた漫画なんですけど。その当時も『アフタヌーン』で人気があって、それなりに面白かったんですけど。終わるところでちゃんと終わるんですよ!(ひろゆきのYouTubeチャンネルより)
ひろゆき:話を続けようとしたら、他の敵を出すとか外国とか持ってきてもいんだけど、きちんと綺麗に終わるんですよ。で、終わったあとに少し(余韻を)残すっていう。だから面白い漫画を面白いまま終わるっていうのが『寄生獣』っていう漫画で。(ひろゆきのYouTubeチャンネルより)
天才 岩明均の創作法
ここでは、そんな天才漫画家 岩明均の創作法についてインタビューを中心にまとめてみる。
面白い出来事、物語を探し、その周辺に「主役」を探す
岩明:「物語になりそうだなー」と感じる出来事・事件や「主人公だよなー」と感じる歴史上の人物に出会った時、他には特定の「町」や「城」、「戦場」など「面白く描けそうな舞台」を見つけた時、というのもあります。大体「出来事=物語」がまず目について、その周辺に「主役」を捜す、というパターンです。『ヒストリエ』は「アレキサンダーの大遠征」が目についたんですが、アレキサンダー大王は「主役」に見えませんでした。(2015年10月16日 モアイ 漫画家になるための戦略教室より)
『ヒストリエ』とは
個性的なキャラをつくるのではなく、個性的な状況にキャラを放り込む
岩明:何も無い所から個性的なキャラクターを作るのはとてもむずかしいと思います。私は順序として、「個性的なキャラクター」をまず作ろう、と考えた事はほとんどありません。あくまで私の場合ですが、「個性的キャラさえ作れば、あとは勝手に動いて活躍する」ではなく、「個性的状況にキャラを放りこめば、あれこれ対応するうちに個性も出てくる」という考え方です。どのやり方が良い悪いではなく、マンガを描く人それぞれだと思います。(2015年10月16日 モアイ 漫画家になるための戦略教室より)
作品全体が一匹の生き物に見えるように描く
岩明:『大まかな全体』。細かな部分部分よりも。物語作品である場合、いかに複雑でややこしくなろうとも、作品全体がたった一匹の生き物に見えるようであるならば、うまく描けてる感じなのではと思います」(2014年12月『ユリイカ』インタビューより)
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