爆笑問題 太田光が語る小山田圭吾擁護の真意

 2021年7月20日の爆笑問題カーボーイ、太田が小山田圭吾の一連の出来事を語った回をまとめてみた。
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田中:どうも、皆さんこんばんわ。爆笑問題田中裕二です。
太田:お前いま炎上中なんだって?
田中:いや、お前だよ!(笑)俺は何も炎上してないわ。お前だろ!!(笑)
太田:あ、オレ?どうも体中が熱いと思った。

サンデー・ジャポンで太田が、小山田圭吾を擁護したとのことで、事務所へ相当のクレームが来たという。
・擁護することで太田も犯罪に加担している。
・太田は子どもがいないから、いじめの怖さが分からないのだろう。
そんな感情的な手紙が多かったというが、それは、太田が自分の言葉で多くの人を傷つけてしまったからだという。もう一度、あの場で、伝えたかった真意を話したいといい、太田は語りだした。

小山田圭吾の一連のできごとは当時の社会を踏まえないと判断は下せない

僕は、90年代のサブカルチャーが全部あれだったってことを言ったんじゃないんですよ

太田:僕は、90年代のサブカルチャーが全部あれだったってことを言ったんじゃないんですよ。あれってあの記事のことです。小山田が「昔いじめやってさぁ((笑))」って言った記事のこと。サブカルチャーの中の一部、まあクイック・ジャパンとロッキング・オンだね。その一部にあれを許容する局面があったんじゃないかってことを俺は言いたかったんだよね。で、そこを踏まえて考えないと、この小山田圭吾の一連の出来事っていうのは、ちゃんとした判断を下せないと思ったの。

未だに雑誌として続いてるっていうのは、社会があれを許容した局面があったっていうこと

当時、クイック・ジャパンのあの記事が出て、さして問題にもならず、まあ問題になったのかもしれないけど、未だに雑誌として続いてるっていうのは、それはやっぱり、社会があれを許容した局面があったっていうことを申し訳ないけど、これは未だに俺は思ってるんですよ。中には、あれが嫌だって人がいたかもしれないけど、編集会議で出しちゃえ、と。それが発売され、店頭に並び、それを中には、読者として面白く読んだ人もいたんじゃないかと、これは想像なんだけど。ああいうことを語ること、過去に自分のしたイジメを自慢気に語ること。それが許容される場が、ほんとに一部なのかもしれないけど。まあ、俺は当時あの記事を知らなかったからね。雰囲気はわからないけど、あったんじゃないかということと、今、小山田圭吾一人に攻撃が集中してるけど、あの小山田圭吾の存在の仕方を許した環境も含めて、考えないとちゃんとした判断は、できないんじゃないかと言うことを俺は言いたい。それでも、許せないという人はいるかもしれない。でも、俺はそう思った。

なんで、そう思ったかっていうと、あの記事みると、聞く方も本当にフランクに聞いてるんだよ。「いじめてたんだよね?(笑)」って、ほんとそんな感じなんだよ。とにかく、(笑)がつくんだよ、ぜんじろうみたいにさあ。おれは小山田圭吾の周りがそれを誘発するようにしているように見えたんだよ。小山田圭吾もそれにのっかったように。そうじゃないかもしれないよ?でも俺が、今の時点で文章の文脈を見るとそう見えたんだよ。

俺が読んでもこれはかなりひどいもんだった

太田:あの内容は今、読むともう批判されるべき内容だったんですよ。もう俺が読んでもこれはかなりひどいもんだった。あのやりとりの空気自体、気持ち悪いというか。俺はそもそもああいう連中が嫌いだった。
田中:なんで!いいよまあ、好きか嫌いかは知らないけど。
太田:まあ、俺は嫌なんですよ。ああいう気取った連中っていうのは。

■誰もが残酷さを秘めている

太田:(ある記事では)小山田圭吾の、あの悪質さっていうのは、太田が言うように時代性では、とても説明できないのだと。それを超越していると。あれは、時代とは乖離した別次元の悪意性なんだっていってたんだけど。
田中:うん。
太田:これは、また批判があるかもしれないけど、俺はそうは思わないです。というのもあの雑誌が、あの時代、社会に流通してた。なんの批判にもならずに、未だに続いているから。あの時代に出されて、販売されて、本屋に並んで買った人がいて、廃刊にもなってないですよね?
田中:うん。
太田:それは、つまり社会とつながってる。あの記事は、当時の社会とつながってる。それは決してね。あそこだけ別次元の異空間があったとは俺にはどうしても思えないんですよ。それは、社会が受け入れたんだろう、と。俺は思うんですね。そんなSF的な、あそこだけっていうのは。言いたいことはわかります。異常性はわかります。それでも、やっぱりあの雑誌が全部の出版社含めて、校閲もとおって
出版されて、読者も多少のクレームはあったのかもしれないけど、次の号も発表されて今も脈々と続くっていうことは、あれだけが異空間だった、異質だったとは、俺はならないんですね。

田中:うん。
太田:なぜ、そう思うかっていうと、俺もあの時代に生きていて、あの記事は知らなかったけど。あれを異質だとすると、それはそれで終わっちゃうと思うわけだ。
田中:うん。
太田:俺らもあの時代に生きていて、あれを見過ごしたんだって思うんです。

モンスターが俺の中にもいつ出てくるかわからないなっていう風に思ってるんですよ

太田:よくね。あいつは異常者だと。モンスターだと。だから、それは自分とは関係ないものだ。っていう考え方。そう思ってないのかもしれないけど。俺は前から、本当かな?って思ってるわけですよ。地続きじゃないのかなって
太田:例えば凶悪事件が起きた時に、あの人間は最初からモンスターだったんだから、自分とは関係ない異常者だから、で片付けちゃう時あるじゃないですか?それは、社会が望んでる、と思うから。目を背けたいしね?人間って、やっぱり弱いっていうかさ。そういう反応も人間しますよね。
田中:うん。
太田:俺は、小山田圭吾がかつてしたイジメね、俺はあんなことはしないですよ。しないし、あれはひどい陰惨なものだと思いますよ。あの文章読んでね。だけど、俺の中にもいつかああういう語り、過去にこういうことやってさ、っていうモンスターが俺の中にもいつ出てくるかわからないなっていう風に思ってるんですよ。そこで、当時俺らがやっていたネタの話をしたんだけど。

お前はもう死ぬしかないよってことを。もうひどいネタですよ。

太田:言ってみりゃ、今、放送できるのかわからないけど。最初につくったネタっていうのは、お前は忘れてるんだろうけど。
田中:俺?(笑)わすれてないですよ!(笑)
太田:「進路指導室」っていうネタでね。俺が教師なんですよ。で、田中がね、いじめられっ子の偏差値の低い生徒なんですよね。で、進路指導室に来るんですよ。で、田中はいじめられてるんだけど、皆勤賞なんですよ。で、俺は、進路指導を田中にするわけ。当時、俺らの中で唯一TVでできたネタなんですけど。俺は、何を指導するかっていうと、「死ね」っていうことを指導すると。お前はもう死ぬしかないよってことを。もうひどいネタですよ。そこで要するに田中が孤立していて、皆勤賞っていうのは、俺の高校時代の投影なんですけどね。お前、いじめられてたら、学校休めよ!俺は教師として言うわけです。お前バカかよって。最終的にお前、自殺してもね、俺は大丈夫なようになってるからっていうね。
田中:ひどいね。
太田:でも、馬鹿ウケでした。ていうのは、俺が演じている教師の異常性をお客さんが笑うようにつくったんですよ。そこで、笑うっていうのは、決して間違いじゃないと思ってるんですよ。要するに、正常と異常者がいて、異常な振る舞いを笑う。でも中には、田中を笑ってる客もいたんですよ。ていうのは、やっぱりお笑いだから、そういうつくりをするからですね。
田中:うん。

小山田が持っている醜悪さっていうのは、俺の中にもあるなあって思った

太田:あのクイック・ジャパンの中でいじめられっ子のことをあざ笑うかのように、思い出話をして、ネタとして、あそこで話すとまあ(自分と)大差ないだろうと。俺も醜悪さ、小山田が持っている醜悪さっていうのは、俺の中にもあるなあって思った。だからあのネタは、今の時代、テレビで通るかはわかんない。おそらく通らないだろうなって。それよりひどいネタをやってたから。
田中:うん。
太田:今日もね、すごいありがたい手紙を頂いて、「太田さんがやってるネタと彼がやっていたことは全然意味合いが違います」って言うんだけど。俺は、行為のことを言ってるわけじゃないんですよ。ああやってネタとして語ること。俺も似たようなことをやったんだって思ったわけ。そういう意味では、俺の中にもあいつと同じ怪物が潜んでいるんだってこと。それはすごく残酷な。人間っていうのは残酷さをあらゆる人が秘めてるだろうっていうのが、俺がずっと思ってる考え方で。私はそんなことないっていう人もいるんだろうけど。未熟で不完全だって未だに思うから。

太田:俺は読んだけど、あの時(雑誌刊行当時)から不快だったよとか、あるいは、知ってたけど、あれはいただけないって当時から思ってたっていう人もいるでしょう。いるかもしれないけど、それは許容してたってことだろうなって俺は思うんです。凄く消極的な許容です。声を上げるべきだって言ってるわけじゃないんですよ。それは一般の人がさあ、クイック・ジャパンっていう雑誌にけしからんってデモするわけじゃないし。普通の人にとっては見過ごす雑誌でしょう。毎月読んでいても、これはちょっと嫌だなって。それは、でも社会が消極的ではあるにしても許容していたんじゃないかって。イジメの問題は、消極的な許容が大きな問題を持つと思うんです。
田中:うん。

■記事の信憑性とジャーナリズムのあり方について

欲している記者とのっかっている小山田

太田:俺が言いたいのは、クイック・ジャパンの小山田の記事の信憑性がどこまであるのかってこと。サンデー・ジャポンでも言ったけど。話盛ってるんじゃないかって。俺も経験上ね。自分がやった過去の悪さをより面白くするために、そこまでやったことないことを言ったりとか。実際に、俺はやったことがあるから。あのインタビューの雰囲気から、なんとなくそれを欲してる記者と、調子乗って、のっかてる小山田っていう構図があるような気がしてたんですね。それにしたって、あの記事は誰がどう見たってひどい記事ですよね。インパクトがあるから制裁を施したくなるんですよ、みんな、そうなる!

裁くのは人じゃないと思ってるんですよ

(みんなが制裁を施したくなるのが)危ういと思ってて。今ネットがあるから、ネットで彼に向かって直接言葉を裁ける。消えろだの、何だの、世界中から届いてると思うんだけど、俺は、それでも、どんなにあの言葉がひどくても、裁くのは人じゃないと思ってるんですよ。司法、法律じゃないといけない。なおかつ、一般の人たちが、ツイッターで、そういうことのプロでもないし、でもTVが裁いていいのか?っていうのは、俺は危機感を感じて・・大げさか。
田中:うん。
太田:まあ、危ういと思ってる。彼を攻撃するっていうことを俺がどうしても躊躇するっていうのは、今、日本中が彼を批判する根拠っていうのが、小山田しょうご本人の証言。
田中:圭吾。いま、しょうごっていった。
太田:あ、小山田しょうごって言った?あいつは、だれだっけ劇団ひとりか。
田中:それ川島省吾

日本中が小山田圭吾を攻撃する根拠が、本人の証言だけだからなんですよ

太田:あの、今ね。日本中が小山田圭吾を攻撃する根拠が、本人の証言だけだからなんですよ。そこを立脚点にしてるんです。みんな!他の証言が何もないんですよ!俺は、そこがあやふやだと思ってる。おぼろげだと思ってる。あの思い出話。
田中:うん。
太田:で、俺が弁護士でもジャーナリストでもテレビで散々攻撃してる人(専門家)に聞きたいんだけど、本人だけの証言だけで確定しますかってこと。お前が考えることじゃないだろって言われたら、しょうがないんだけど。プロがやってるから、気になってるんですよ。
田中:うん。
太田:あの記事の中で、小山田さんが語っていることは本当に事実だったのかという検証をしてないですよねってことです。本人が言った。こんなひどいことやってるのか、ってことで攻撃する。でもジャーナリズムってそれでいいのか?報道っていうのは。法律家、あるいは検事、本当にそれでいいのか?
報道機関っていうのは、犯罪を告発して糾弾しようっていう時に、本人が証言したってだけで記事にするんですか!!?って
、まぁ俺もまた興奮しちゃったけど・・・(笑)俺も散々、社長から、「あんた興奮すると言葉足りなくなるから」って言われちゃってんだよね。嫌になっちゃうよねえ(笑)
田中:うん。

■一人の人間を再起不能に陥るまで、たたき続けることが俺には躊躇がある

今の日本のマスコミ全体に聞きたいのは、調べ直したのか?ってこと

今の日本のマスコミ全体に聞きたいのは、調べ直したのか?ってこと。一社でも、当事者にいって、そりゃね思い起こしたくないこともあるだろうけど。周りの(イジメに)参加した仲間っていうのはいるわけで。あるいはクラスメート。そこに取材をし直したのか、雑誌もTVも。報道機関も。裏をとるっていうのはそういうことをするわけでしょ。
田中:うん。
太田:それをせずに一人の人間を再起不能に陥るまで、たたき続けることが俺には躊躇があるんですよ。今もそうかもしれないけど、小山田君に投げかけられてる言葉、相当なもんだと思うんです。なんで、そう思うかというと、俺のところにも来るんだから。擁護しただけで、許さんって来るんだから。「お前はサイコパスだ」「障害を持った子どもがいないからわからないだろう」とか。あるいはもっと差別的な、その障害っていうことを俺に言ってくる人もいる。
田中:うん。
太田:俺は、別にね。そんなのなれてるから平気だけど、小山田圭吾のところには、何千、何万と世界中からバッシングが来てると思うんだよね。それは自業自得だよって。因果応報だろって言うかもしれないけど、俺は判断できないんですよ。あれが事実だったとして、小山田圭吾があの時代にやったイジメが、事実だったとして、あの残虐性と今、小山田圭吾が受けてることっていうのは、どっちが残酷かって俺には判断できないんですよ。
田中:うん。

太田の言う通り、メディアは検証をしていない。さらにワイドショーのコメンテーターは、当時の雑誌記事全文を読んで発言しているのか?というところも疑問。当時の記事の全文を読み、文脈から分析している記事はこちら↓おすすめです。
honoiro.com

悪いやつをかばうってわけじゃなくて、本当に危うい

太田:悪いやつをかばうってわけじゃなくて、これが本当に危ういなって思ってるわけなんですよ。世界中から、反発をくらってるって思ってると思う、小山田はね。どんなに極悪人でも、人が人をそうやって、正義感ぶって言うのもなんだけど・・そうやって追い詰めていくってことは、許されることじゃないんじゃないかなって気がしてる。その一人一人ね抗議をしてる人たちは、もの凄い真っ当な常識人だと思うんですよ。でも、その人達が何千、何万ってなった時に、自分たちがこれが正義だと思ってる
人が。それを受け止められるだろうかって。自分ではその意識がなくても、同じようにモンスターだと。どっちが残酷なのかということ。今もネットでバッシングが続いているわけですよね。それ、ほっとくんですか?って思うんですよ。

正義の気持ちでたたいて、たたいて、息ができなくなった事件ってつい最近あったような気がする

いつの時代もイジメを許容する世界はないって皆さんおっしゃいますが、例えばね、あの時、小山田圭吾が自分のキャラクターを偽悪的に演じてたと、これは推測ですよ。自分が与えられたヒールの役柄を
演じたことが許せないって正義の気持ちでたたいて、たたいて、息ができなくなった事件ってつい最近あったような気がする。
それとこれと別物だよ。あいつは怪物なんだから。って俺はそれを言い切れる自信がないんですよ。

太田光日芸裏口騒動をめぐる全エピソードはこちら
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