天才成田悠輔の生い立ちから、これまでの経歴・エピソードを成田悠輔本人、そして実の弟で連続起業家の成田修造の発言を元にまとめてみた。
小学生時代
哲学者風の父がほとんどプー太郎状態で、母1人が働き、家計を支えていたという成田家。
少年時代の成田には、辛いことが多かったためか、記憶はすっぽり抜け落ちていると言う。
プレハブ小屋みたいな1ルームに家族4人で暮らす
記憶は曖昧だが、プレハブ小屋のような狭い1ルームに父、母、弟と
家族4人で住んでいたという成田。母は夜、泣きながら、働かない父をなじるという典型的に「残念な家庭」だったという。
家におらず遊びまわっている父、その代わりに働きに出る母という家庭環境の中で、成田は自由に育ったという。
多動症で重度の睡眠障害
喧嘩ばかりで貧しい家庭環境が影響してなのか、成田は多動症的で、重度の睡眠障害も抱えるという発達障害的な傾向が強かったという。
成田:僕は教室を飛び出すどころか教室にたどり着けなかった。というのも、当時から重度の睡眠障害があって規則正しい生活ができず、小学校に向かう道中で寝てしまうことが結構あったのです。公園やビルの隙間に座って何時間も空を眺めていることもしょっちゅうで、小学校の中ごろからずっと不登校気味でした。(2021年12月6日NIKKEIリスキリングより)
まともに学校にも行けない自分はヤバいんじゃないか?成田は子どもながらに不安を抱えていたという。
限りなく球体に近い泥団子をつくる職人をやっていた
そんな成田少年が得意だったのが、「限りなく球体に近い泥団子」造りだ。
成田は泥団子を今でも家に保管して大事にしているらしい。
成田:小学生の頃、泥だんごつくるのやってて。丸一日かけて、ぴかぴかに磨きこまれた限りなく球体に近い泥団子とか。
徳永:あー!
成田:つくる職人をやってたんですよ。それは今でも保管してます。
徳永:え!!今でも!!……え?って今声が(スタッフの)
(2022年3月11日ABEMAニュースより)
睡眠障害の他、「人と食事をしていても、突然消える」「枕元で焚火をするのが好き」など、成田の不思議ちゃんエピソードまとめはこちらの記事から
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中学生時代(麻布中学)
残念な家庭に生まれた成田だったが、たまたま勉強ができたので、そこまで努力することもなく、父親と同じ麻布中学へ入学する。
ちゃらんぽらんだった父親も、悠輔と修造を食わせるためにと、フルタイムで働くようになったという。修造はこの父親が定職に就いていた時期を「成田家の全盛期」と呼んでいる。
麻布に入学した成田悠輔は「友人」と呼べる存在に初めて出会うこととなる。
現在、東大卒の天才プロゲーマーと呼ばれる「ときど」だ。
親友に出会い、山岳部へ入部。死を経験する。
ときどと同じ登山部に入部した成田悠輔。登山部の活動で何度も死を間近に経験したと言う。
成田:冬山でときどさんが死にかけたのがありましたね(笑)
ときど:そんなのありましたっけ?
成田:一緒に冬山を歩いてて、全然道が開かれてないような雪の中の道を勝手に開拓していって、気づいたらときどが消えてて、よくよく見たら川が流れているところの上を雪が包み隠してて、そこから川にどかっと落ちたらしい。
ときど:え~~~~!!(笑)
ときど:僕が覚えてるのは、もう一人のメンバーが上から「ずざざざざ」って滑ってきて成田さんと一緒に止めるっていうのは、あれは覚えてますよね?
成田:それもあった!それもあった。それもあった(笑)意外にみんな死にかけてるんすよね。
(2022年11月8日新しい未来のつくり方|成田悠輔/ときど/中馬和彦/金山淳吾|SIW2022アーカイブ - YouTube)
成田は、自分の中で唯一誇れることは、後にeスポーツで世界チャンピオンとなる、冬山で死にかけたときどの命を助けたことだと語っている。
また、山登りで感じた「人は簡単に死ぬ」という経験が、成田のその後の思想の根底にあると語っている。
批評家、柄谷行人主宰『NAM』に出入り
成田は、知り合いのコンピューターマニアにつくってもらったPCでネットサーフィンをする中で批評家の柄谷行人が主宰する『NAM』という謎のコミュニティに行き着いたという。
学校にはあまり行ってなかった成田は、この『NAM』というコミュニティにどっぷりと浸かり、大きな影響を受けることになる。
NAM〈ナム〉)とは:日本発の資本と国家への対抗運動である。柄谷行人が「当時雑誌(『群像』)に連載した『トランスクリティークーカントとマルクス』で提示した、カントとマルクスの総合、アナーキズムとマルクス主義の総合を、実践的レベルで追求するための試み。
柄谷行人(批評家)、坂本龍一(音楽家)、村上龍(作家)、磯崎新(建築家)など錚々たるメンツが集まるNAMというコミュニティで、成田は中学生なのに出入りしている謎の男として有名だったそうだ。
成田は、NAMでの活動をこう振り返っている。
成田:運動のパンフレット的な位置付けで『NAM生成』という本を作ることになり、
浅田彰さんや坂本龍一さん、のちにスマートニュースを創業する鈴木健さんなんかも著者として名を連ねたのですが、
中学生だった僕はその本の注釈作りをバイトでやりました。
版元の太田出版から3万円だか5万円だかを受け取って、それが15歳くらいだった僕が生まれて初めて手にした仕事の報酬になりました。
(2021年12月6日NIKKEIリスキリングより)
成田:今考えると、学校に行っていなかった分、無限にあった時間と、東京という場所が持つ、過剰な情報が安価であふれかえっている状況と、ネットを介して垣間見る世界とが、僕の中でうまく化学反応を起こしていた。
結果的に学校に行って授業を受けるよりも多くのことを学んだように思います.学校に行かなくて本当によかった。
(2021年12月6日NIKKEIリスキリングより)
柄谷行人が今の成田悠輔をメディアで目にして書いた手紙など、柄谷との関係はこちらの記事から
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高校生時代(麻布高校)
学校の外での活動に楽しみを見出していた成田だったが、高校生の頃に父が失踪して家庭が崩壊するという地獄を味わうこととなる。
父親が失踪し、家庭は崩壊
成田:ちょっと家庭が崩壊するみたいなことになって、僕が高校を卒業するぐらいの時に、確か父親が失踪するんですよ。
蒸発しちゃったんですね。なんか、「新しい人生を」みたいなことを一言、二言言い残して突然消えちゃうっていう。
(2022年4月17日 『日曜日の初耳学』より)
母が精神的に参り3ヶ月意識不明に
成田:母親は、父親がいなくなって、結構精神的に参って。
で…しばらくたって今度は母親がくも膜下出血になって、2~3ヶ月意識不明で…病院に入院してたんですかね。
で、家が自己破産するってことになったんですかね。
(2022年4月17日 『日曜日の初耳学』より)
家計が火の車だった成田家。高校生の成田悠輔は、自身で家庭の自己破産手続きをしたという。
失踪した成田悠輔の父親の素性について、詳しくはこちらの記事から
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中学生の弟に浅田彰と柄谷行人の本をすすめる
修造は兄である悠輔から呼んでおいた方がいい読書リストをもらったり
スティーブ・ジョブズのiPhone発表のプレゼンをリアルタイムで見ろと言われたり
様々な学者や起業家の生き方を教えてもらったという。
4歳離れているというのが、ちょうど良かったらしく、修造は兄から様々な教えをもらった。
修造:中学生の頃に、僕も勉強したいからっていって、何か30冊くらい兄にどわーーと本のリストをもらって
ーお兄さん、その時は何歳?
修造:18歳。浅田彰さんの本とか、柄谷行人さんの本とか。
ー(笑)いや、むずかしい。
ひろゆき:いや(笑)中学2年生が勉強したいっていって、渡す本じゃないですよね!
修造:いや、でも本当にそれを渡されて、そっからですかね?僕も勉強っていうか
(【ひろゆきvs成田悠輔の弟】日経テレ東大学より)
成田悠輔が弟、修造におすすめした本などまとめはこちらの記事から
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その後、自分とは違い勝ち負けの世界であるスポーツが大好きな修造の姿を見て、
悠輔は「修造には起業家の道が向いてる」と進言したそうだ。
兄の言葉に納得した修造は、大学で起業サークルに入り学生ベンチャーを起業。
その後、クラウドワークスのCOO(最高執行責任者)となった。(現在は退任)
浪人時代
母の言葉で、なんとなく東京大学受験を決意
高校卒業後、バックパッカーをして日本を放浪していた成田だったが、長いものには巻かれろという考えの母親の強い勧めで、一浪後、東京大学経済学部に合格した。
地獄のような家庭環境で、成田はどうして東京大学合格を勝ち取ることができたのだろうか?
成田は、家庭のトラブルを乗り越える方法をインタビューで聞かれた際にこう返している。
成田:ほとんどの人が、家族関係に大きなトラブルを抱えている場合がほとんどだ。ただそれが表に出ない。
言わないから無いかのような気がして、人生とか家族とかスムーズにいっていることが普通なんだよという間違った思い込みをみんな持っちゃってるんじゃないかという気はするんですよね。
自分の境遇は特別なものではない、そう言いたいのだろう。
そして成田はこう語る。
成田:多くの人は何かしらの地獄を抱えていて、その地獄を乗り越えつつも、普通に生きていられているということが知られれば十分じゃないかなって気はするんですよね。
(2022年9月2日 KIDSNA STYLEより)
家庭の地獄を乗り越えて、自分のように普通に生きられることを皆に知ってほしいという想いだ。
持って生まれた勉強の才能で東大に合格
成田は、東大に合格するための受験勉強をほとんどした覚えがないと言う。
予備校に通うこともなく基本的にはすべて独学したらしい。
やったことは過去問を解いてみて、傾向をつかんだあとに、問題を解けるようになるための
知識やテクニックを詰め込んでいくことだけだったそうだ。
成田は、みなに羨ましがられる勉強の才能について、「そんなに特別なものではない」とこう語っている。
成田:僕はたまたまそういうものを持って生まれただけで、身長が高く生まれたのと同じようなもんなんですよ。
あんまり頑張って何年も厳しい修行を乗り越えて勝ち取ったみたいなのはないんですよね。
(ひろゆかないのYOUTUBEチャンネル「若新雄純×成田悠輔とひろゆかないの裏あべまぷらいむ。」)
大学生時代(東京大学)
経済学だけでなく、数学や物理、生物、法学までつまみ食い
成田は、専攻の経済学だけでなく、数学や物理、生物、法学などあらゆる知をつまみ食いしたと言う。
「比較制度分析」の功績でノーベル経済学賞の有力候補者にもなった故青木昌彦・スタンフォード大学名誉教授が主宰する
「仮想制度研究所VCASI」の企画運営にも携わり、人文社会科学・認知行動科学・情報科学の各分野で最先端の研究をする学者らと議論を交わした。
最優秀卒業論文『大内兵衛賞』を受賞
人が感じる「罪悪感」の数学的モデル化と実験的検証を行った卒論は、東大経済学部の最優秀卒業論文に数年に一度授与される「大内兵衛賞」を受賞。
「大内兵衛賞」は極めて優れた卒業論文にしか与えられない賞で、該当者無しの年も多い。
受賞者は、東京大学マーケットデザインセンターの小島武仁教授など社会で活躍する天才ばかりである。
成田悠輔の師匠っぽい人で、歴史上最も風格のない天才研究者と呼ばれる小島武仁について詳しくはこちらの記事から
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MIT(マサチューセッツ工科大学)でPh.D取得
東京大学卒業後、そのまま大学院に進んだ成田だったが、研究に集中するために、アメリカへ渡ることを決意する。
東京にいると人として終わるのでアメリカに行った
成田:単純に言うと飽きたからなんですけど。この東京の内輪で過剰な感じは僕、結構好きで今でも好きなんですけど。
何かずっとそこにいると、人間として終わるんじゃないかなっていう感じはなんとなく当時からあって。
(ひろゆかないのYOUTUBEチャンネル「若新雄純×成田悠輔とひろゆかないの裏あべまぷらいむ。」)
成田:僕、好奇心だけは結構あって、いろいろやたらとつまみ食いばかりしてたり、色んな人と会うみたいなことばかりしてたので。
ちょっと断食的な状況に追い込みたいというのがあったかもしれないですね。
(ひろゆかないのYOUTUBEチャンネル「若新雄純×成田悠輔とひろゆかないの裏あべまぷらいむ。」)
MITでPh.Dを取得後、イェール大学准教授の職につき、データ・アルゴリズム・数学・ポエムを使ったビジネスと、公共政策の創造とデザインを専門としている。
現在
イェール大学の准教授でありながら、日本のメディアに露出後、過激で鋭い発言が話題となりメディアにひっぱりだことなった。
浅草で芸人と漫才を披露したり、ひろゆきのモノマネをして論破芸を披露したりと、研究者だけでなくアクティビストとして
社会に大きな影響を与える人となった。
イェール大学での研究のかたわら、企業との共同研究も多数手がけている。
その中のいくつかを紹介する。
ZOZOTOWNのおすすめアイテムクリック率を大幅に上昇
成田は、半熟仮想株式会社で、機械学習によるアルゴリズムでの決定を社会のあらゆる制度に応用していく企業活動をしている。
ZOZOとの共同研究では、ZOZOTOWNでのおすすめアイテムを表示させる新たなアルゴリズムを導入して、クリック率を40%上昇させたことも知られている。
サイバーエージェントとの共同研究が国際会議で採択
サイバーエージェントとの共同研究では、共著論文「Efficient Counterfactual Learning from Bandit Feedback」が人工知能分野の国際会議「AAAI」にて採択されたりもしている。
とうとう出た!成田悠輔の初の著書! 22世紀に向けて、読むと社会の見え方が変わる唯一無二の一冊。断言する。若者が選挙に行って「政治参加」したくらいでは日本は何も変わらない。民主主義というゲームのルール自体をどう作り変えるか考えることだ。ゲームのルールを変えること、つまり革命であるーー。
成田悠輔の真面目な天才性がわかる著書はこちら
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